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子宮筋腫のUAE(子宮動脈塞栓術)NEW
Q:子宮筋腫のUAE(子宮動脈塞栓術)とはどういう治療でしょうか?
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足の付け根から極細の管(カテーテル)を入れ、筋腫に流入する血液の流れを遮断することで子宮筋腫を小さくする方法で、体への負担を抑えながら行なえる治療です。
子宮筋腫を養っている「子宮動脈」に、カテーテルを通して塞栓物質という小さな粒を流し、血流を遮断します。栄養が届かなくなった筋腫は、徐々に小さくなっていきます。
治療時間は通常1〜2時間程度で終わり、数時間休んでいただいた後ご帰宅いただけます。一般的には1日か2日ほど入院しますが、日帰り治療も可能です。保険診療になります。
身体への負担が少ないため、早期に社会復帰できるのが大きな特徴です。20cmを超えるような大きな筋腫においても、大きさに関係なく治療することができます。
Q:子宮筋腫と診断されましたが手術をしたくありません。切らずに治す方法はありますか?
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はい、子宮筋腫のUAE(子宮動脈塞栓術)は「切らずに治す」代表的な低侵襲治療(身体へのダメージが少ない治療)です。
従来の外科手術(子宮全摘術や筋腫核出術)と違い、メスでお腹を切ることはありません。全身麻酔ではなく局所麻酔で行うため、体へのダメージを最小限に抑えられます。傷跡も、足の付け根に点滴のときと同じような跡が残るだけです。子宮という大切な臓器を温存できるため、心理的な抵抗感も少ない治療法といえます。
他の「切らない治療」としてFUS(集束超音波)もありますが、FUSは原則として全額自己負担の自費診療で、筋腫の位置によっては治療できないケースがあります。一方、UAEは筋腫の数や大きさに関係なく一括で治療でき、保険診療であり、確実性が高いのが強みです。
Q:子宮筋腫のUAEのデメリットや合併症は何ですか?
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再発の可能性がゼロではないことと、筋腫が完全に消えるわけではない点に注意が必要です。
一度塞栓した筋腫が再び大きくなることは稀ですが、別の栄養路から血流を得るなどして、約10〜20%の割合で追加の治療が必要になることがあります。また、筋腫は完全に消失するわけではなく、元の大きさの50〜60%程度まで縮小し、症状が改善されることを目標とします。
合併症としては、術後数日間に発熱や吐き気、重い生理痛のような痛みが生じる「塞栓後症候群(PES)」がありますが、これらはお薬でコントロールが可能です。頻度は非常に稀ですが、筋腫が壊死して体外へ排出される「筋腫分娩」という現象が起こり細菌感染の原因となりうることがありえます。また、45歳以上の方では卵巣の血流が変化して閉経が数年早まる可能性(約5〜10%)が報告されています。
- 初期(前駆期〜軽度)
寒暖差や飲酒などで顔が赤くなり、時間が経つと戻る「ほてり」を繰り返します。 - 中期(中等度)
赤みが常に消えなくなり、毛細血管が浮き出て見えます(紅斑毛細血管拡張型)。 - 後期(重度)
ニキビのようなブツブツや膿疱が増え(丘疹膿疱型)、さらに進行すると皮膚が厚く硬くなり、鼻が変形することもあります(鼻瘤)。
Q:子宮動脈塞栓術の術後の経過や、日常生活への復帰はいつから可能ですか?
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この治療は日帰りで受けていただけます。術後、数時間は強い生理痛のような下腹部の痛みが出ることがあります。これは筋腫への血流が止まり、縮み始める反応によるものです。
痛みが出やすいのは術後数時間がピークですが、痛み止めを使いながらしっかりコントロールします。必要に応じて、ご自身で追加できる鎮痛装置(PCA)などを用い、できるだけつらくならないよう管理します。ほとんどの方は、お帰りの頃には軽い痛みまで落ち着いています。
事務職などのデスクワークであれば術後1週間程度、体を動かす仕事やジョギングなどのスポーツ、旅行は術後2週間ほどが目安です。シャワーは治療の翌日から可能です。湯船につかる入浴は、カテーテルを挿入した傷口の感染を防ぐため、治療後3〜5日程度経ってからをおすすめしています。傷口に赤みや腫れがないことを確認してから、ゆっくりと再開します。
Q:子宮筋腫のUAEの費用は保険適用となりますか?
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はい、保険が適用されます。
3割負担の方の場合、入院をしないで日帰り治療をするとおよそ15万円前後が目安となります。また、「高額療養費制度」を利用することで1ヶ月の支払額の上限を超えた分の負担を抑えることが可能です。民間保険の手術給付金の対象になる場合も多いため、事前に保険会社へ確認することをお勧めします。
Q:子宮動脈塞栓術後に妊娠はできますか?
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可能です。ただし、将来的に挙児のご希望がある場合は、子宮筋腫を取り除く手術(子宮筋腫核出術)が第一に推奨されます。
かつてはUAE後の妊娠は極めて困難と考えられていましたが、近年の技術向上により、UAE後に健康な赤ちゃんを出産される方は増えています。一部の報告では妊娠率に大きな差がないとするデータもありますが、標準的な医療としては、流産率や分娩時の合併症リスクを考慮し、挙児希望がある方には第一に手術(筋腫核出術)が推奨されます。 当院では、手術が困難な事情がある方や、リスクを十分に理解された上でカテーテル治療を希望される方にのみ、慎重にカウンセリングを行った上で治療を検討しています。
Q:巨大な子宮筋腫にUAEはできますか?
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はい、可能です。大きさに関係なく一括して治療できるのがUAEの強みです。外科手術では巨大な筋腫ほど出血のリスクが高まり困難になったり、子宮の全摘となったりする可能性がありますが、UAEはカテーテルから薬剤を流すため、筋腫が大きくても、数が多くても対応可能です。実際に、20cmを超えるような巨大な筋腫においても、UAEによって大幅に縮小し、症状が劇的に改善した症例が報告されています。
月経量の増加と貧血に悩み、子宮筋腫に対して行ったカテーテル治療(UAE)が効いた例
デスクワークが辛い「腰痛」。複数ある子宮筋腫による圧迫が原因とわかり、全摘手術を回避して子宮筋腫塞栓術UAEを行った一例
Q:性生活はいつから再開できますか?
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一般的には術後2週間から1ヶ月程度、医師の確認を経てからとなります。治療後しばらくは、子宮の環境が変化しているため無理は禁物です。最低でも2週間は控え、術後の経過観察で問題がないことを確認してから再開しましょう。
術後1〜3ヶ月の間は、強い刺激や深い挿入を控えるなど、パートナーと相談しながら段階的に進めることが大切です。痛みや出血がある場合は、すぐに主治医に相談してください。
UAEは子宮を温存する治療ですので、身体が回復すればこれまで通りの生活を楽しんでいただけます。むしろ、筋腫による痛みや重い生理が改善することで、以前よりも前向きに性生活を捉えられるようになったという患者様も多くいらっしゃいます。
Q:閉経後ですが、UAEを受ける必要はありますか?
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基本的には必要ありませんが、症状が続く場合は検討の対象になります。
子宮筋腫は女性ホルモンの影響で大きくなるため、閉経後は自然に小さくなり、症状も治まるのが一般的です。しかし、閉経後も筋腫による圧迫感や痛みがあり、日常生活に支障が出ている場合はUAEの対象となることもあります。
なお、もし閉経後に筋腫が急に大きくなるような場合は、別の病気(悪性腫瘍など)の可能性も否定できないため、まずは精密検査を受けることが非常に重要です。
Q:治療の成功率や、治療を受けて後悔する人はいますか?
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約90%の方が症状の改善を実感しており、満足度の高い治療です。
治療を受けた方の約9割が、過多月経や痛みの軽減などの効果を実感しています。一方で、稀に「筋腫が十分に小さくならなかった」「再発した」として、最終的に子宮全摘術を選ぶことになるケースが数%ほど存在します。「筋腫を完全になくしたいのか」「今の辛い症状を取り除きたいのか」といったご自身にとっての治療のゴールを医師としっかり共有し、納得した上で治療に臨むことが、後悔しないためのポイントです。
Q:切らないカテーテル治療とはどのような治療ですか?
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カテーテル治療(血管内治療)とは、足の付け根などから細い管(カテーテル)を血管内に挿入し、原因となっている血管に直接アプローチする治療法です。メスを使わず、局所麻酔で行えるため、身体への負担が比較的少ないことが特徴です。
たとえば子宮筋腫に対するUAE(子宮動脈塞栓術)は、筋腫に栄養を送る血管を塞ぐことで、徐々に縮小を促す治療です。同様に、慢性的な痛みや骨盤の痛みの中にも、血流の異常が関与しているケースがあることが分かってきています。
「生理ではないのに続く下腹部痛」や「出産後から長引く骨盤の重だるさ」などの症状の背景に、骨盤内の血流うっ滞(骨盤内うっ血症候群)が関係している場合があります。また、五十肩や膝の痛み、腰痛などの慢性痛では、炎症部位に異常な細い血管が増えていることがあります。
こうしたケースに対し、血管内から原因にアプローチする治療を専門に行っている医療機関もあります。「手術以外の方法はないのか」「長引く痛みに別の原因はないのか」とお悩みの方は、血管治療という選択肢について一度医師に相談してみることも一つの方法です。
月経量の増加と貧血に悩み、子宮筋腫に対して行ったカテーテル治療(UAE)が効いた例
デスクワークが辛い「腰痛」。複数ある子宮筋腫による圧迫が原因とわかり、全摘手術を回避して子宮筋腫塞栓術UAEを行った一例
著者プロフィール
奥野祐次 M.D., Ph.D.(医師・医学博士)
オクノクリニック 総院長
専門分野:慢性疼痛、モヤモヤ血管に対する血管内治療、カテーテル治療・動注治療、画像診断(MRI・エコーを活用した精密な痛みの診断)
2006年3月、慶應義塾大学 医学部 卒業。2008年より放射線科医として血管内治療に従事し、2012年3月、同大学大学院医学研究科博士課程を修了(研究テーマ:「病的血管新生」)。同年4月より江戸川病院にて運動器疾患に対する血管内治療を専門に担当。2014年には同院「運動器カテーテルセンター」センター長に就任。2017年10月、神奈川県・センター南にて「オクノクリニック」を開院。
現在東京を中心に全国10院を運営するオクノクリニックの総院長。運動器カテーテル治療の専門医として、長年にわたり痛みに悩む患者の治療に取り組んでいる。

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