治療実例
INSTANCEデスクワークが辛い「腰痛」。複数ある子宮筋腫による圧迫が原因とわかり、全摘手術を回避して子宮筋腫塞栓術UAEを行った一例
女性 / 40代 / 福岡在住 / 会社員
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
今回ご紹介するのは、複数の子宮筋腫が見つかり、とくに一日中続く「腰痛」に悩まされ、子宮全摘出を回避する治療を求めて来院された47歳の女性の患者さんです。
患者さんは、以前から過多月経や尿意切迫感、腹部膨満感などの症状を抱えていましたが、それらは「我慢できるレベル」でした。しかし、患者さんにとって一番辛かったのは、仕事(デスクワーク)中も一日中続く「腰痛」でした。数ヶ月前から腰の痛みがひどくなり、婦人科を受診したところ、最大8cmのものを含む複数の子宮筋腫が見つかりました。
「病名を聞いたときはショックで、先生に何も聞けなかった」と振り返るように、医師からは子宮全摘出の可能性も示唆され、非常に大きな不安を抱えていらっしゃいました。
「このひどい腰痛は、子宮筋腫が腰の神経を圧迫しているせいなのだろうか?」「もしそうなら、お腹を切って子宮を全摘出するしかないのだろうか?」と悩む中で、切らずにできるほかの治療法はないかと探していたところ知人から教えてもらい当院へご相談に来られました。
治療時の所見FINDINGS
当院にてMRI検査を詳しく行った結果、複数の子宮筋腫(最大のもので約8cm)が骨盤内で大きくなり、周囲の臓器や神経を圧迫している所見が認められました。これが、患者さんを悩ませていた辛い腰痛や頻尿、腹部膨満感の原因であると考えられました。
患者さんは「子宮の全摘出は避けたい」と強く希望されていたため、局所麻酔で行うカテーテル治療である子宮動脈塞栓術(UAE)を実施することになりました。
治療では、足の付け根の血管から極細の柔らかい管(カテーテル)を挿入し、筋腫に栄養を送っている「子宮動脈」まで進めます。そこからお薬を流し筋腫への血流を治療する方法です。メスでお腹を切る外科手術ではないため、点滴の針穴程度の傷跡しか残らず、身体への負担が少ない低侵襲治療です。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
術後数時間は、筋腫への血流が止まったことによる下腹部痛(塞栓後症候群)がみられましたが、鎮痛剤でしっかりとコントロールを行い、数日で落ち着きました。その後、時間の経過とともに栄養を断たれた筋腫は徐々に縮小し、それに伴って一番の悩みであった「一日中続く腰痛」も大きく改善しました。
尿意切迫感や過多月経などの症状も軽減し、気がかりだったお腹を切る手術をせずに、安心して日々のデスクワークにも集中できるようになりました。
子宮筋腫の症状は、出血の増加だけでなく、大きくなった筋腫が周囲を圧迫することによる「腰痛」や「頻尿」として現れることも多々あります。長引く原因不明の痛みに悩んでいる方にとって、詳細なMRI画像診断と、身体への負担が少ないカテーテル治療(UAE)は、ご自身の生活の質(QOL)を取り戻すための有効な選択肢となります。
月経量の増加や月経痛、貧血などの症状が続く場合、子宮筋腫が原因となっていることがあります。また、本症例のように「原因不明の腰痛」や「頻尿」が筋腫のサインであることも少なくありません。気になる症状がある場合は我慢せず、医療機関にご相談することが大切です。また切らずに治療があることを覚えておいてください。
保険診療です。

