奥野祐次先生のコラム

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COLUMN.78

片頭痛は、なぜ「片方だけ」痛くなるの?意外と知らない理由

こんにちは。痛みの専門医、オクノクリニックの奥野祐次です。

今回は、片頭痛(偏頭痛)でお悩みの方からよく聞かれる「なぜ片側だけ痛くなるのか?」という疑問について、YouTubeでの解説をもとにコラム形式でお話ししたいと思います。 「片頭痛」という字の通り、片側だけがズキズキ痛むのが特徴ですが、実は私たちの体には「意外な痛みを感じる仕組み」が隠されているのです。

 

1. 痛みは脳への「アラート(警告)」

そもそも、痛みとは何のためにあるのでしょうか? 虫歯になったり、盲腸(虫垂炎)になったりすると、その場所が痛くなりますよね。これは脳に対して「ここに異常があるぞ!注意を向けろ!」と知らせるためのアラート(警告)信号なのです。

 

2. 脳は「一番痛い場所」しか感じない?

人間の体は、複数の場所に同時にトラブルが起きることがよくあります。 例えば、「右肩」と「左膝」の両方に炎症が起きていたとしましょう。痛みのレベルを10段階で表したとき、右肩が「8」、左膝が「4」の強さで信号を出しているとします。

このとき、私たちは「右肩も左膝も痛い」と感じるでしょうか? 実は、脳は「一番強い信号(右肩の8)」だけに注意を向けさせようとします。 生命を守るための優先順位として、弱い信号(左膝の4)は無視され、意識の上に上がってこないようにできているのです。つまり、本当は膝も悪いのに、本人は「肩だけが痛い」と感じることになります。

 

3. 片頭痛も実は「両側」にあることが多い

これを片頭痛に置き換えてみましょう。 「片頭痛」と書きますが、実際には両側に炎症や血管の異常がある人が非常に多いのです。

例えば、右側の頭痛レベルが「7」、左側が「6」だったとします。 数値は非常に近いですが、脳のルールに従うと、より強い「右側の7」だけが意識されます。その結果、左側にも原因があるにもかかわらず、「私は右側だけが痛いです」と感じてしまうのです。

 

4. 治療すると痛みが「移動」したように感じる理由

私たちは、片頭痛の原因となっている頭皮の血管(浅側頭動脈など)に対し、ここだけに作用する「STA動注治療」という新しい治療を行っています。

先ほどの例で、右側(レベル7)だけを治療して、痛みが「1」に下がったとしましょう。 するとどうなるか。今まで無視されていた左側(レベル6)が、一番強い信号として脳に認識されるようになります。「右は治ったけれど、今度は急に左が痛くなってきた」と感じるのです。

 

患者さんからは「痛みが移動したんですか?」と驚かれることがありますが、移動したわけではありません。「隠れていた痛みが、浮上してきた」だけなのです。このように、人間の脳は「一番強い痛み」にフォーカスする性質があります。 片頭痛であっても、根本的には両側に原因があるケースが少なくありません。その場合は、痛みが残っている側も治療してあげることが大切です。

 

「片側だけだから」と思わずに、痛みの仕組みを正しく理解して治療に向き合うことが、長年の頭痛から解放される近道かもしれません。もし薬でコントロールできない頭痛にお悩みであれば、血管へアプローチする新しい治療法も選択肢の一つとして知っておいていただければと思います。

 

 

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