治療実例

INSTANCE

月20回の片頭痛が「ほぼゼロ」に。STA動注で改善した症例

女性 / 50代 / 埼玉県在住 / 会社員

受診までの経過SIGN AND SYMPTOM

片頭痛は生活に大きく支障が出るわずらわしい病気です。治療をするにも薬の費用も高く、毎月の出費が大きな負担になることもあります。

片頭痛の治療は長らく「薬しかない」と考えられてきました。
しかし、最近になって片頭痛の原因が詳しくわかるようになり、薬以外の新しい治療が開発されています。

今回ご紹介するのは、片頭痛への新しい治療によって薬の回数が減るだけでなく、「薬を飲まなくても過ごせる日」が増えた症例です。

患者さんは約30年間にわたり片頭痛と肩こりに悩まされており、ここ数年はこめかみから側頭部、後頭部にかけての頭痛が頻繁におきていました。
もともと肩こりが中心でしたが、頭痛が起こると後頭部やこめかみ、頭全体が締め付けられるように痛むようになり、緊張型頭痛と片頭痛の両方が起きている症状でした。

症状がひどく頭痛外来で片頭痛治療薬として、トリプタン系薬剤(アマージ)を使用しており、さらに月1回の注射薬(アジョビ:約13,000円/回)も併用していました。アジョビ導入前は、1か月半の間に20回前後の片頭痛があり、アジョビを導入してからはそれが10回に減少しました。しかし、依然として発作は月に10回あり、またそのたびにアマージを内服しており、薬代の負担も大きく、「やめたくてもやめられない」薬への依存に対する不安や葛藤もあったそうです。

「薬を飲まないと仕事にならない」「薬がないと不安になる」それでも薬漬けのような日々を続ける中で、このままでいいのだろうかという思いも強くなっていたそうです。

そんな日々の中、手のヘバーデン結節の痛みで通院していたオクノクリニックにて、「頭痛もひどくて困っている」と奥野医師へ相談したところ、頭皮の血管(浅側頭動脈=STA)を対象としたSTA動注をすすめられ、治療することになりました。

治療時の所見FINDINGS

STA動注とは、こめかみ付近の浅側頭動脈や後頭部の後頭動脈といった頭皮をカバーする血管に、非常に細い針を使って薬を直接注入する治療です。
エコー(超音波)で血管の位置を正確に確認し、拡張している部分をピンポイントで狙って薬を流すため、効率よく血管の拡張を治療できます。

治療時間はわずか1〜2分。外来で受けられる体への負担が少ない低侵襲治療です。
全身に作用する注射薬(アジョビ)とは異なり、頭皮の血管に直接作用する局所治療のため、副作用の心配が少なく薬を飲む必要もありません。

治療後の経過FOLLOWING THERAPY

初回8月12日にSTA動注後、強い片頭痛は13日、14日、22日に各1回起きましたがそれ以外、頭痛はほとんど感じませんでした。

アジョビ投与を継続しつつ、9月上旬に2回目のSTA動注をうけました。その後、頭痛の頻度はさらに減少しました。
アジョビ導入前は1か月半で約20回アマージを服用していたのが、導入後は月10回に減少しましたが、さらにSTA動注を併用してからは、1か月あたり0から2回程度にまで減少しました。

頭痛が出ても「薬を飲もうか迷う程度」で治まることが多くなり、頭痛の持続時間も以前とは比較にならないほど短縮しました。
「以前は痛くなるのが不安で薬に頼りきりだったのが、今は薬を飲まなくても落ち着くことがある」と、気持ちにもゆとりが生まれてきたといいます。

片頭痛は「薬を飲んで」「ストレスを減らして」と言われることが多いですが、実際には頭皮の血管が異常に拡張し、神経を刺激することで痛みが起こるという明確な原因があります。
「ストレスのせい」と片づけずに、原因を治療する方法があることを、より多くの方に知ってほしいと思います。





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