治療実例
INSTANCE緊張型頭痛とモヤモヤ血管-STA動注治療で痛みから解放された症例
女性 / 40代 / 東京都在住 / Webデザイナー
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
緊張型頭痛(筋収縮性頭痛)は、長時間のデスクワークや精神的ストレスによって首や肩の筋肉が緊張し、頭全体が締めつけられるような鈍い痛みが続く頭痛の一種です。
実は日本人成人の約20〜40%が経験するとされ、頭痛のタイプの中でも最も患者数が多いともいわれています。命に関わらない慢性的な痛みとはいえ、症状が長引くと集中力の低下や日常生活への支障につながることも少なくありません。 今回ご紹介するのは、40代の女性でWebデザイナーの方です。
患者さんは日頃からPC作業の多いデスクワーク中心の生活で、締め切り前の追い込み作業や会議中など緊張やストレスが高まる場面で、頭が「ギューッ」と締めつけられるような重い痛みに襲われていました。まるで頭に重たいわっかをはめられているかのような不快感で、首や肩のこりもひどく、痛みとこりが増すにつれてイライラしやすくなり、仕事中に集中力が途切れてしまうこともしばしばあったそうです。
症状を和らげようとヨガやストレッチ、リンパマッサージに通ったり、バファリンや漢方薬など服用しましたが、その場しのぎで日常的なおもだるい頭痛と不調に「このまま付き合っていくしかないのか」と半ばあきらめていました。
そんな中たまたま頭痛に関する情報をインターネットで目にし、「モヤモヤ血管」という言葉を知りました。片頭痛の治療症例を読んで頭痛を治せるかもしれないと思い初診をうけられました。
治療時の所見FINDINGS
患者さんの今までの頭痛の経過や日常生活での困りごとについて詳しく問診を行いました。
患者さんは過去に脳のMRI検査を受けており、脳に異常は認められませんでした。このため、脳由来の頭痛ではなく、首や肩の筋肉のこわばりが関与する緊張型頭痛と診断しました。さらに、慢性的な首や肩のこりに伴って発生したモヤモヤ血管が痛みを長引かせる要因になっていると考えられました。
そこで、当院ではSTA動注を実施しました。動注治療は、非常に細い針を用いてこめかみや後頭部付近の血管(浅側頭動脈・後頭動脈)に直接薬を注入する方法です。処置はわずか1〜2分ほどで終了し、身体への負担が少ない低侵襲治療です。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
治療後、患者さんは長年感じていたあの頭全体を締め付けるようなおもだるい痛みがふっと消えたことに気付きました。翌日からデスクに向かっても「あれ、いつもより頭が軽い…?」と感じ、いつもなら緊張で肩がガチガチになってしまう会議中も頭痛が現れませんでした。
治療直後こそ若干のだるさはあったものの、1週間後には首や肩の張り感も徐々に和らぎ、身体全体に感じるだるさが軽減していきました。仕事中にふと「あれ、今日は頭が痛くない」と痛みがないことに驚く場面が増え、ご本人も「痛みを意識せずに仕事に集中できるなんて夢みたいです」と笑顔でおっしゃっています。
長年悩まされていた頭痛から解放されたことで表情にも明るさが戻り、気持ちにも余裕が生まれました。周囲の同僚やご家族からも「声が元気だね」「顔色が良くなったね」と言われご本人も「頭痛を気にしない日常が以前とは全然違う」と喜んでおられます。
仕事のパフォーマンスも明らかに向上し、締め切り前でも落ち着いて集中力を維持できるようになったとのことです。
現在、治療から数ヶ月が経過しましたが頭痛は再発せず、あれだけ悩まされていた首や肩のこりも大幅に軽減しています。趣味だったヨガも頭痛に邪魔されず思い切り楽しめるようになり、オンとオフ両面で充実した毎日を過ごされています。
緊張型頭痛は「ストレスや疲れが原因だから仕方ない」「根本的な治療法はなく上手く付き合うしかない」と思われがちです。確かにこれまでは、安静にする、痛み止めを飲む、マッサージを受ける…といった対症療法が中心でした。しかし近年、慢性的な痛みの部位に見られる異常な新生血管(モヤモヤ血管)に着目した新しい治療法STA動注が開発されました。
カテーテルや動注治療による治療はまさにその一つで、痛みの原因にアプローチすることで、従来は難しかった根本治療が可能になってきました。緊張型頭痛や片頭痛など繰り返す頭痛でお困りの方はぜひご相談ください。