奥野祐次先生のコラム
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痛みの原因は分かっていない?
痛みの原因?そんなものとっくに解明されているでしょ!
そう思うのが普通だと思います。
ですが、痛みの原因は、まだ完全には解明されていません。
もっとはっきり言ってしまえば、ほとんど解明されていないのです。
それは言いすぎでしょ、と思うかもしれません。ですが本当にそうなのです。
痛みで命を落とすことはありません。
たとえば肩の痛みや膝の痛みで困っている人はいても、それらはその人の命を奪うことはありません。
ですから、がんや心臓病などの命に関わる病気に比べて「痛みの治療」は軽視されてきたという経緯があります。
ところが、痛みは命を奪うことはありませんが、人生の質を著しく低下させます。
そして原因が解明されていません。
原因が解明されていないということは、放っておいて治ったとしても、なぜ治ったのかを説明できないですし、治るならまだしも、長引いて治らなかった場合には、なぜ治らないのかわからないということです。
今の痛みがいつまで続くか、お医者さんは断言することができないのです。
痛みについてのお医者さんの説明も様々です。
「軟骨がすり減っているからですよ」と言われることもあれば
「筋肉による痛みですと」と言われることもあります。
これも原因が特定されていないためです。
痛みの原因が解明されていないことの影響はとても大きいことがわかると思います。
治療も行き当たりばったりになります。
痛みを感じさせないようにする薬を使う、あるいは効くかどうか保証のない注射をすることになります。
それが今の痛みの治療の現状です。
これは決して珍しい病気の話をしているのではありません。
五十肩や膝の痛み、腰の痛み、肩こりなど、どこにでもあるありふれた「痛み」について話しているのです。
ありふれた「痛み」の原因が、まだ解明されていないのです。