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「モヤモヤ血管」と「もやもや病」の違いとは?痛みの専門医が症状・治療法を解説
こんにちは。痛みの専門医、オクノクリニックの奥野祐次です。
「モヤモヤ血管」と「もやもや病」。名前がとても似ているため、「同じ病気?」「どう違うの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、この2つは全く別の疾患です。
モヤモヤ血管:体のさまざまな関節にでき、長引く「痛み」の原因となる異常な血管(整形外科・痛みの専門院)
もやもや病:脳の血管が細くなる指定難病(脳神経外科)
今回は、混同されがちなこの2つの違いについて、それぞれの症状や特徴を詳しく解説します。
- 痛みの原因となる「モヤモヤ血管」とは?
「モヤモヤ血管」とは、五十肩や膝の痛み、肩こり、腰痛など、関節や腱、筋肉といった場所にできて、長引く痛みを発生させる「異常な血管」のことです。最近では、頭痛などにも関係していることがわかってきています。
これは割と最近の概念で、私が2013年に初めて英語論文として発表し、2015年頃に一般向けの本(長引く痛みの原因は、血管が9割 ワニブックス)で広く紹介しました。異常な血管の見た目がモヤモヤしているため、わかりやすく伝える目的で私が名付けたものです。治療は、痛みの専門クリニックや整形外科などで行われます。
- 脳の血管が細くなる指定難病「もやもや病」とは?
一方で「もやもや病」は、脳神経外科の領域となる脳の病気です。1950年代から発表されており、日本人の医師が発見して名付けた指定難病で、海外でも「Moyamoya disease」として知られています。
私たちの脳には、電源ケーブルのように絶えず血液を送る「内頸動脈」という太い血管がありますが、この重要な血管が年月とともに徐々に細くなってしまう病気です。10万人に3〜5人という非常に珍しい病気で、歌手の徳永英明さんが公表されたことでも知られています。
【もやもや病の主な症状と発見のきっかけ】
子供の場合:風船を膨らませたり、ハーモニカを吹いたりして息を強く吐いた際、脳への酸素が足りなくなり、手足の麻痺や頭痛、意識が遠のくなどの症状で発見されることが多いです。
大人の場合:脳ドックなどの健康診断で、血管が細くなっているのを指摘されて発見されるケースもあります。
治療法としては、飲み薬や生活習慣の改善から始まり、最終的には頭皮の血管から脳内へ血流を送る細かい手術(血行再建術)などが行われます。
- なぜ似た名前になってしまったのか?
実は先日、大学時代の先輩である脳外科の先生に10数年ぶりにお会いした際、「奥野、お前のせいで脳外科の外来に『モヤモヤ血管が痛くて…』と来る患者がいるぞ!どうしてくれるんだ!」と怒られ、平謝りをするという出来事がありました。
私が「モヤモヤ血管」と名付けた当時は、すでに教科書に載っているほど有名な「もやもや病」があることはもちろん知っていましたが、自分の考えた言葉がこれほどまでに世間に広まるとは思っていなかったのです。しかし、それだけ多くの方が「モヤモヤ血管」による痛みに困っているということでもあります。
- 症状に合わせて適切な専門医へ
まとめますと、「もやもや病」は脳神経外科で治療する大切な病気ですが、「モヤモヤ血管」は痛みの専門クリニックや整形外科で治療するものです。
もしあなたが、五十肩や膝の痛みなど数か月・数年長引く痛みといった「モヤモヤ血管」の症状でお困りなら、ぜひ痛みの専門である私たちオクノクリニックへご相談ください。