奥野祐次先生のコラム

COLUMN
COLUMN.35

もやもや血管による痛みの判断基準 (ドクター向けのページです)

※このページは一般の方向けではなく、ドクター向けです

 

数か月以上続く痛み症状を呈する人の疼痛部位には、微細な新生血管が長期にわたり残存していることがあります。
このような微細な血管(このサイトでは、血管撮影時の見かけから、「もやもや血管」と呼んでいます)は、炎症や瘢痕(肉芽)組織で生じる血管と表現することもできます。

増殖した微細な血管の周りには神経線維が増生しており、これらの神経からは、普通であれば痛みを感じないような刺激(生理的な刺激)によっても中枢にスパイクが送られるようになります。このような神経線維はミエリン化されていないことが知られており、従来の分類ではC線維と呼ばれる神経線維です。

このように、微細な血管と周囲の神経(c繊維)が一部の痛みの原因だとする説があり、このような機序の痛みをここでは微細血管性疼痛と呼ぶこととしてみます。従来の分類ではポリモーダル受容器からの痛み刺激と言えます。

 

微細血管性疼痛(当ページで紹介している治療法が著効する疼痛)を示唆する所見は以下のようなものがあります。(※下記のいずれか2つほど当てはまれば、微細血管性疼痛と判定する基準として提唱します)

 

□再現性のある圧痛所見
□自発痛(Spontaneous Pain)の訴え(夜間痛や安静時痛など)
□STIRや脂肪抑制T2における高信号変化
□ステロイド局所注射が一時的(例えば2,3日の間のみ)に効果あり
□超音波診断装置による健側には観察されないドップラシグナル 点状のシグナル増加
□アロディニア所見
□術後残存痛(構造的破綻を解決したのに残存する痛み)

 

反対に、微細血管性疼痛とは考えにくいもの(カテーテル治療が効果が見込めない疼痛)は下記のようなものです

□関節ネズミや半月板損傷、何らかの組織のインピンジなどのように、物理的、メカニカルな刺激による痛み(高閾値受容器からの痛み刺激)
□電撃痛のような、発作的で短時間のもので、外的な刺激にかかわらず発生する痛み(例:1日に何度か訪れ、2,3分続く電気の走るような痛み)
□圧痛に再現性がない 妙に痛がることもあれば、同じ場所を押しているのに次の瞬間には痛くない、などのように再現性のない痛み症状
□重度の変形性関節症の患者の、荷重時の痛み(これもメカニカルで高閾値受容器)
□いわゆる「しびれ症状」のうちの多くのもの

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