奥野祐次先生のコラム

COLUMN
COLUMN.20

不要な血管は放っておくとよくない? その2

前回も言いましたが、不要な血管は除去されるべきです。

特に「オーバーユーズ症候群」というような、腱や靭帯を使いすぎて生じてしまった痛みの場合は、なおさらです。

カラダの中にはとても強い力が加わる組織があります。

軟骨、靭帯、腱などです。

これらの組織に共通することは何か知っていますか?

 

それは「血管がきわめて少ないこと」です。

これらの組織は、非常に強い力が加わるために、血管を寄せ付けません。

なぜでしょうか?

上の写真は、棘上筋腱という肩の腱の写真です。

左の(b)で見られる黒い線は血管です。

このように、正常な腱や靭帯、軟骨では血管がきわめて少なくなっています。

 

なぜ、血管が少ないのか?

この理由はこうです。

実は血管というのは、組織の中を「掘って」通さないといけません。

ちょうどトンネルを掘るのと同じです。

 

地下鉄は便利ですが、あまりにたくさん作ってしまえば、地盤が弱くなることは想像できるでしょう。

それと同じで、人間のカラダでも「強靭さ」が求められる組織には血管をたくさん「掘らない」ようにしているのです。

 

このため、これらの組織では血管を寄せ付けないような物質を絶えずだしています。

 

ですが、いろいろなことがきっかけで、この組織の中に血管が入り込んでしまいます。

 

しかもグチャグチャとした「不要な血管」です。

整備された地下鉄網ではなく、グチャグチャと入り乱れた地下鉄がたくさん出来てしまうようなものです。(恐ろしい都市ですね)

 

長引く痛みを抱えている人のほとんどの人が、この「不要な血管」を持っています。

これが居座っているために痛みが続いています。

それだけでなく、これが居座ることで、腱や靭帯などの組織が弱くなってしまっています。

 

下の写真はテニス肘の患者さんの血管撮影。不要な血管が痛みのある部分に増えてしまっているのがわかります。(決して珍しいことではありません)

これはできるだけ早く除去してあげなくてはいけないのです。

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