奥野祐次先生のコラム

COLUMN
COLUMN.46

なぜ、もやもや血管があると痛いの?

前回のコラムでは「モヤモヤ血管」は何なのか?を説明しました。

 

モヤモヤ血管とは、ぐちゃぐちゃした構造をもつ異常な毛細血管のことです。

この血管は炎症で出来る血管と表現しても差し支えありません。

 

特に肩こりや腰痛、五十肩やひざの痛みなど、

長く続く痛みの場所にはこの「モヤモヤ血管」ができてしまう、ということを紹介しました。

例えば肩こりがひどい、という人は、この「モヤモヤ血管」が肩にできてしまっている可能性が極めて高いです。

人間の身体は、血管が新しく作られると、そのあとに、神経線維が血管に沿って伸びていくようにできています。

つまり血管ができると、神経も一緒になって伸びてくるわけです。

このような現象を「血管と神経のワイヤリング」などと呼びます。

これは人体の基本的なルールです。

 

そして五十肩やひざの痛みをはじめ、たくさんの「長引く痛み」で、このような「血管と神経が両方増えている」ことが報告されてきました。

上の図は、肩の「関節包」という関節の袋の一部を顕微鏡でみた写真です。

左側が正常な肩の関節包で、右側が五十肩の患者さんの関節包です。

青色で塗りつぶされているところが、血管の断面です。

そして赤丸が、神経線維の断面です。

一見するとわかる通り、五十肩では血管が増えており(もやもや血管ができている)、そして血管の近くにある神経線維も増えているのがわかります。

この研究はJSESという肩の専門誌に発表されたオーストラリアの研究グループのとった写真です。

 

このもやもや血管の周りにできる神経線維のことを、

専門的には「ポリモーダル受容器」と呼んでいます。痛みにかかわる感受組織を有していることがわかっています。

このポリモーダル受容器からの痛み、というのは、言葉で表現すると
「ジンジン」とか「ズキズキ」とか「チクチク」とか「重い」「ズキンズキン」
などと表現されることが多いです。

 

このような場合、血管を減らしてあげることで、結果的に周りにある余分な神経線維も減ってくれます。

こうすることで痛み症状を取ってあげることができるのです。

モヤモヤ血管を撃退するのに有効な、運動器カテーテル治療ってなに?と思われた方は、こちらのコラムもどうぞ!

 

また、「自分の痛みの場所にも、もやもや血管があるのかしら!?」

そのような疑問を抱いた方もいるかもしれませんね。

次回のコラムでは、自分でできるモヤモヤ血管のチェック方法を解説します!

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