奥野祐次先生のコラム

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なぜ人は「痛み」を感じるのか?医学博士が語る「痛み」の本当の役割

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こんにちは。痛みの専門医、オクノクリニックの奥野祐次です。痛みというのは、本当に嫌なものですよね。骨折や虫歯の痛み、あるいは手術後の痛みや陣痛など、私たちは人生で何度も「もう二度とこんな思いはしたくない」というような強い不快感を経験します。

「いっそのこと、痛みなんてなければいいのに」慢性的な痛みに悩まされている時、そう思ったことがある方も多いのではないでしょうか。

しかし、そもそもなぜ私たち人間には「痛み」という機能が備わっているのでしょうか?今回は、この「痛みの本当の役割」についてお話しします。

 

1. もし「痛み」を感じなかったらどうなる?

世の中には極めて稀ですが、「先天性無痛症」といって、生まれつき痛みを全く感じない体質の方がいらっしゃいます。「痛くないなんて羨ましい」と思われるかもしれませんが、実はそうではありません。
痛みを感じない方は、骨折をしても気づかないため、折れた足のまま歩き続けてしまい、若いうちに関節がボロボロに変形してしまうことがあります。また、熱い鍋に触れても「熱い(痛い)」と感じてパッと手を離すことができないため、深刻な火傷を負ってしまうこともあります。
子供の頃に自分の舌を噛んでしまっても痛くないため、何度も噛み切ってしまうといった事例もあります。

 

2. 痛みは命を守るための「フィードバック」

こうして見ると、痛みがいかに重要かが分かります。私たちは痛みという「強烈な不快感」があるからこそ、「これをしたら危ない」「二度としないようにしよう」という学習(フィードバック)ができます。

例えば、私がこうして座って話している間も、実はお尻の位置を無意識に少しずつ変えています。もし全く動かずに座り続けると、お尻の皮膚の血流が止まって組織が壊死してしまいます(床ずれのこと)。私たちは「ちょっと痛いな、苦しいな」という信号を無意識に受け取り、体が壊れる前に姿勢を変えることで身を守っているのです。

 

3. 「必要な痛み」と「不要な痛み」がある

怪我や火傷をした時の痛みは、私たちが生き延びるために絶対に必要なシステムだと言えます。

しかし、ここからが重要です。
皆さんが今悩まされている、長引く腰痛、五十肩、ヘバーデン結節、あるいはただ寝ているだけで痛い膝などはどうでしょうか?これらは、命を守るために必要な警告でしょうか?

答えは「No」です。

慢性的な長引く痛みは、何か危険な動作をしたから起きているわけではなく、体の中で起きた「病的な異常(モヤモヤ血管など)」によって引き起こされています。これらは生き残るために不要な痛みであり、むしろ生活の質を下げるだけの「治療すべき痛み」なのです。

 

4. 不要な痛みは、我慢せずに治療を

「痛みには意味がある」と言われますが、それはあくまで正常な防御反応の話です。もしあなたが、原因のわからない長引く痛みに苦しんでいるなら、それは体にとって不必要な痛みかもしれません。

私たちオクノクリニックでは、こうした「不要な痛み」の原因となる異常な血管(モヤモヤ血管)への治療を行っています。生きるために必要な痛みには感謝しつつ、生活を邪魔する不要な痛みからは、一日も早く解放されるよう治療していきましょう。

 

 

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