治療実例

INSTANCE

レントゲンでは悪くないのに、ひざが痛い!軽度の変形性膝関節症の症例

男性 / 60代 / 東京在住 /

受診までの経過SIGN AND SYMPTOM

ひざがずっと痛いのに、レントゲンを撮っても「それほど悪くない」と言われた。そんな方はいませんか?

この方もまさにそのような経過で受診されました。

3年前からひざの痛みが治らずに受診した60代の男性の患者さんです。

若いころから柔道をしており、最近は若い子に指導をしていました。しかし3年前から左ひざの内側が痛くなり、階段を下りるときや立ち上がる時も痛みが強くなりました。

レントゲン写真(図)では軟骨は少しだけすり減っていますが、手術をしなければならないほどではありません。
家の近くの整形外科でヒアルロン酸注射を半年以上続けましたが、改善しないどころか、逆に悪化する一方でした。

このような場合、何が原因でしょうか?半月板ですか?

MRIを撮影してみると、(図)確かに半月板にも傷がありますが(黒い矢印のところ)、このような傷は「痛くない人にも良く見られます」。
また、半月板の傷は後ろのほうにありますが、この人は主に内側の前のほうが痛いのです。
つまり半月板が原因とは考えにくいです。

では何が原因でしょうか?
実はまさにこの方が痛いと言っていた場所(内側の前のほう)には、MRIで白っぽく映る場所があります。(画像の赤い丸の場所)

このようなMRIで普通なら黒いところが白くなってしまう場所は、「もやもや血管」ができている場所なのです。

実際にこの場所は押しても痛い!ということでした。
もやもや血管がさらに疑われます(詳しくはこちらのコラムをご参考に)

私の診察でも「もやもや血管が関与している」と判断し、治療しました。

治療時の所見FINDINGS

さて、実際に運動器カテーテル治療を受けることになりました。

治療の際に撮影した血管撮影の写真では、やはり「もやもや血管」が発見されました。

図の矢印の部分です。まさしく「もやもや」していますし、またこの方が痛いとおっしゃっていた場所とも一致します。

治療によってもやもや血管が減ったのがわかります(2つ目の図)

さらに、半月板の部分の周りにもやもや血管が見つかりました!(3つ目の画像のまるでかこった部分)

この方の場合、これらの場所を治療することで、治療中に「押すと痛い」という状態も改善されていることを確認してカテーテル治療を終えました。

治療後の経過FOLLOWING THERAPY

この方は、非常に早い段階から効果を感じました。
治療の翌日には、横断歩道の信号の変わり目で、いつもなら走れないのが久しぶりに小走りができて驚いたと話してくれました!

その後も順調に症状は改善し、あぐらをかくことや階段を降りることも痛くなくできるようになっています。
モヤモヤ血管を減らす注射も2回ほど受けて、さらに状態は改善。

しかも趣味の柔道も続けています。

この方は5年前に治療しましたが、いまだに良い状態が続いています。

図は治療から4年経過したときのこの方のレントゲン写真と、MRIの写真です。

レントゲンでは軟骨のすり減りは進行していません。

またMRIでは痛みは治っていますが、半月板には変化がありません。半月板には特にメスを入れていませんから、当然です。つまり「半月板が痛みの原因ではなかった」ということがこのことからもわかります。

非常に良い状態が続いており、ご本人も満足しています。

このように、半月板が原因ではないのにも関わらず、この方と同じような状況で半月板を手術されてしまう方もたくさんいます。

痛みの原因が理解されていないため、このようなことが起きてしまいます。
これはこれからの課題ですが、軽度の変形性膝関節症の患者さんへの半月板の手術は他国の研究からもあまり効果がないという結果が出ています。

少し脱線してしまいましたが、このように「レントゲンで悪くないのに、いつまでも痛い!」という場合は、もやもや血管への運動器カテーテル治療で治るケースが非常に多いです。

ぜひ知っておいてください。





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