治療実例
INSTANCE標準治療をしても治らなかった関節リウマチの痛みへのカテーテル治療の症例
男性 / 40代 / 東京都在住 / 歯科医師
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
今回紹介したいのは関節リウマチで手の痛みが出てしまった48歳男性の歯医者さんです。
ご自身が歯科の開業をして数年たったときに関節リウマチと診断され、それ以来リウマトレックス(メトトレキサート)を続けていましたが、関節の痛み、特に左手の中指の痛みがひどくなり仕事に支障をきたすようになりました。
メトトレキサートだけでは抑えきれず、ステロイドも一時的に使用しましたが、中指の痛みがとれずに中止しています。
仕事では歯科の器具を持つ際に中指に強く力が加わります。激痛が走って器具を落としてしまいかねないという状態になり、急遽、知り合いの先生にパートに来てもらうことに。自分で診療ができないことをふがいなく感じていました。
なんとか自分でも診療ができるようにと、アクテムラという生物学的製剤を開始したところ、4回目の投与をした後に肺炎にかかってしまい、3週間入院することになってしまいました。当然ながらアクテムラは中止となり、他の生物学的製剤も急に入院するかもしれないと思うと使うのが躊躇されました。
もう自分では歯科の診療を続けることはできないのかとあきらめていたころに、カテーテル治療のことを講演で知り、治療を受けることを希望して来院されました。
治療時の所見FINDINGS
来院時には中指のMP関節の背側にエコーで明らかに血流信号が増強していることが確認できました。運動器カテーテル治療を1回と、手の動注治療を1回、合計2回の治療を行ないました。写真はカテーテル治療の際の手の血管の写真です。青い矢印の部分が異常に増殖した血管です。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
治療後は今までにないくらい痛みの改善が得られました。動注治療を終えて1か月経ったころに恐る恐る器具を握ってみたところ、痛みなく把持することができました。様子を見てこれは診療に戻っても痛みが走らなくなったなと確認できたため、職場に復帰することができました。ご自身のクリニックのスタッフの方々も驚いたそうです。
まだ、他の関節には痛みを感じることもありますが、まずは手の痛みが改善し、仕事ができるようになったころが本当にうれしいです、と語ってくれました。
関節リウマチでは、痛みのために副作用の強い薬を増量しなければならなかったり、あるいは十分に炎症マーカーが下がっているのにも関わらず痛みだけが続いてしまう方もいらっしゃいます。そんな時に、標準治療プラスアルファの治療として運動器カテーテル治療や、動注治療はお勧めです。そのような症状の方はぜひご検討してみてください。