治療実例

INSTANCE

9年間続いた石灰沈着性腱板炎による肩痛への運動器カテーテル治療の実例

男性 / 50代 / 東京都在住 /

受診までの経過SIGN AND SYMPTOM

石灰沈着性腱板炎は、肩に急激な痛みを伴う病気です。ほとんどの人は強い痛みが短い期間続いた後に自然と改善していきますが、中には鈍い痛みが慢性的に数年単位で続いてしまう方がいらっしゃいます。

今回紹介したいのは、石灰沈着性腱板炎による右肩の痛みが9年間も続いていた患者さんのカテーテル治療実例です。

海外にも支店をもつ大手企業に勤めており、イギリスに出張していたころに肩の痛みが生じて、現地の病院で石灰沈着性腱板炎と診断されています。

鈍い痛みと可動域制限(肩の動かせる範囲が狭くなること)があり、重い荷物をもって出張などすると、顔をしかめたくなるような痛みが起きていました。
また、右腕を横から挙げようとすると痛みが生じて途中までしか上がらず、日常生活でも不便さがあったようです。

そのような中で、会社の同僚の方からカテーテル治療のことを聞き、今から3年ほど前に運動器カテーテル治療を受けに当院を受診されました。

受診時に痛みの部位をエコーで評価すると、棘上筋腱という場所に石灰があったのですが、石灰だけでなく異常な血流信号も観察され、ちょうどその部位が痛みの場所と一致しているということで、異常な血管を減らすためのカテーテル治療を予定しました。

治療時の所見FINDINGS

右肩の前の方に位置する動脈(胸肩峰動脈といいます)を血管撮影したところ、下の画像で青矢印で示した部位(石灰のある場所のすぐ近く)に異常な血管が見つかりました。
異常な血管に対して、それをふさぐような粒子を流して治療を終えています。

治療後の経過FOLLOWING THERAPY

まずカテーテル治療を終えてすぐ、治療台の上で、「肩が軽くなってます!」とびっくりしたようにおっしゃっていました。確かに全員の方ではないのですが、異常な血管を減らすだけですぐさま軽さや痛みの軽減を感じる方はいらっしゃいます。
また、治療が終わって1時間ほど安静にしているころには「あ、この動きはずっとできなかったのに」というような、反対側の肩を触る動作ができるようになっていました。

治療から1か月ほどした際は、痛みはまだゼロではないものの、大幅に改善して、毎日あるのが当たり前だった動かしたときの痛みも、ほぼ取れていると、感動しておっしゃって下さいました。2か月後の診察ではゴルフをしたり重いものを持っても全く支障がなく痛みを忘れて生活できている状態となり、診察を終えています。

現在は治療から3年以上経過しますが、痛みの再発なく、仕事の出張などで重い鞄を持つときや飛行機の中も憂鬱でなくなったと喜んでくださっています。

石灰沈着性腱板炎でいつまでも改善しないという方は、ぜひカテーテル治療も選択肢として検討なさってみてください。