治療実例

INSTANCE

8年間、どこに行っても改善しなかった肋骨の痛み

女性 / 50代 / 東京都在住 /

受診までの経過SIGN AND SYMPTOM

肋骨の痛みの原因として最も多いのが肋軟骨炎です。

肋軟骨炎は通常は数週間か、長くても数か月で治るとされていますが、中には数年たっても強い痛みが続いてしまい、治療に難渋するケースもあります。
また、肋間神経痛などと間違って診断されている場合もあります。

今回紹介したいのは、8年も前から右のあばらに痛みが続いていた女性の患者さんです。
テキストブックでは肋軟骨炎は「ほとんどの場合、左の第2-5肋骨に生じる」とありますが、痛みの専門医として患者さんを診察してみると、実際には左胸のその部位だけでなく、左右どの肋骨にも生じ得ることを経験しています。

この患者さんも右乳房の下の方のあばらに8年間も続く痛みを抱えて受診されました。病院では肋骨のレントゲンを撮られるだけで、異常なしと言われ、肋間神経痛と診断されたり、肋軟骨炎と診断されたり様々であったようです。

初診時にエコーで観察したところ、患部の肋軟骨の表在には異常な血管の信号が観察されました。
まさに、うちのクリニックで専門としている、痛みの原因となるモヤモヤ血管(異常に増えた血管)があると判断し、カテーテル治療を行なうこととしました。

治療時の所見FINDINGS

右のあばらの部分を栄養している血管は、右の内胸動脈と言います。

この方の治療の際には、右の内胸動脈にカテーテルを進めて、造影剤を用いて、血管撮影をしました。黒い線でうつっているのが、血管撮影という特殊な画像検査をした際のこの患者さんの血管です。

赤丸で示している場所に異常な血管があり、ちょうど患者さんが痛みを訴えている部位とも一致しました。

そこで、異常な血管を減らすための抗生物質でできた粒子を流し込んで治療を終えています。

治療後の経過FOLLOWING THERAPY

治療後の経過
治療後、8年間続いていた痛みは、明らかに軽くなり、改善していきました。
治療から1か月後に来院された際は、日常生活でたまに感じていた嫌な強い痛みを感じなくなったと話してくださいました。その後は、疼痛部に注射を2回ほど加え、治療後3か月後にはほとんど日常生活では気にならないレベルにまで改善しました。

肋骨の痛み(肋軟骨炎)は今回紹介した方のように痛みが数年単位で続いてしまうこともあります。

肋骨の痛みが長引いている、あるいは再発を繰り返しているという方がいましたら、ぜひカテーテル治療という特殊な方法があることも知っておいてください。

以上、8年間続いた肋軟骨炎の痛みに対して、運動器カテーテル治療が有効であった実例の紹介でした。





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