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手術が必要とされた胸郭出口症候群の症状に、カテーテル治療が著効した症例

女性 / 20代 / 在住 /

受診までの経過SIGN AND SYMPTOM

胸郭出口症候群は、腕に向かう神経と血管の一部が圧迫されて、肩から手先までの痛みやシビレが生じる疾患です。しかし、正確に診断をすることが困難な場合があり、実際には胸郭出口の圧迫が関与していないにも関わらず、症状が似ているというだけで胸郭出口症候群と診断されてしまうことも多々あります。このような場合、圧迫を解除する手術をしても改善しないことになります。

最近になって、頚部や肩に生じた、「長引く炎症」に対してカテーテル治療という新しい治療を行なうことで、このような胸郭出口症候群に似た症状を改善させる治療が報告されています。

今回紹介したいのは、他院で肋骨を取り除く手術が必要と診断されたものの、実際には手術は必要とせず、カテーテル治療で改善された患者さんです。

小さい頃からピアノをしていた20代の女性の方です。

社会人になってPCの仕事量が増えたころから、いわゆる肩こりのような首の付け根の痛みに悩むことが増えてきたそうです。20代後半になり、仕事量が増えて負担が増したころに、ある日、仕事中に突然、左の肩が痛くなり手先にかけて強いしびれと痛みが同時に生じ、どこに手を置いていいかわからないような状態でうずくまりました。

その後しばらくしても症状は一向に改善せず、通勤でバックを待つことができなくなり仕事を続けることが難しくなりました。

整形外科に行ったところ、注射を2回ほど打たれたが改善せず、重度の胸郭出口症候群と診断されたそうです。リハビリをして様子を見ることになりましたが、3ヶ月経過しても改善しないことから手術が必要になる可能性が高いと聞き、困惑して、インターネットで調べて私たちのクリニックを初めて受診されました。

治療時の所見FINDINGS

ルーステスト(胸郭出口症候群を診断するための誘発テスト)は痛みが強いことから判断できず、また腕神経叢の鎖骨の凹みを圧迫しても痛みが得られなかったことから、胸郭出口症候群ではなく、逆に上の図に示す部位に最も強い痛みを訴えていました。この部位を超音波で調べると血流信号が増加していたことから、この部位の炎症に伴い腕の痺れや痛みが生じていると考え、この部位をターゲットとしたカテーテル治療をプランしました。

治療時の所見では、下の血管撮影の写真のように、異常な血管が左の首の付け根に観察され、治療後は改善しました。

治療後の経過FOLLOWING THERAPY

治療してから1-2週間は特に大きな変化がなかったものの、そのまま様子を見ると1ヵ月を過ぎた頃から明らかに改善し、2ヶ月後にはパソコンの仕事がいままでほとんどできなかったのが、3-4時間できるようになりました。またカバンも持ってある程度持つことができるようになり、3か月後には職場に完全に復帰できるようになりました。あのビリビリするような痛みや腕のしびれなどがから解放されて本当に良かったと喜んでくださっています。現在は治療から2年が経過していますが、再発なく仕事が続けられています。

「ほんとに迷ったが手術に踏み切らないで、日帰りのカテーテル治療を受けてみて良かった」と今でも喜んでくださっています。

今回紹介した症例のように、胸郭出口症候群と診断されても、実際には他に原因があると言う可能性もあります。症状がなかなか改善しないと言う場合は、カテーテル治療と言う選択肢があることも知っておいてください。





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