治療実例
INSTANCE鵞足炎でひざの痛みが取れなかったハードル選手の実例
男性 / 20代 / 在住 /
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
今回紹介したいのは、右膝の鵞足炎に悩んでいた陸上の110mハードルの選手です。
陸上の国内大会でも活躍する選手ですが、練習で膝の内側を強打してから、痛みが出るようになりました。
膝を動かすと痛みが出るようになり、特にハードルを飛び越えようとする際に強い痛みが走っていたようです。整形外科では鵞足炎と診断され、1年間、リハビリや鍼治療、マッサージなどに通ったのですが、症状が一向に良くならずに、整形外科でステロイド注射を受けたものの改善しなかったそうです。
そんなときに、トレーナーさんから紹介されて、モヤモヤ血管の治療を知り受診されています。
治療時の所見FINDINGS
鵞足炎は膝の内側5㎝下方に位置する滑液包とよばれる袋の炎症です。
この方も鵞足にはっきりと圧痛があり、かつエコーとMRIでも腫脹を示す信号変化が見られたため、異常な血管が増えて炎症が続いており、いつまでも治らない痛みになっていることを説明して治療にあたりました。
治療の際には、下の写真のように、膝の内側の疼痛部に異常な血管が増加しており、それを治療することで終えています。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
治療後1週間はハードルを飛ばずに、走るだけの練習をしていたようです。
2週間ほどしてから膝の感覚が明らかに良くなっているのを実感しています。1か月後からはハードルを飛んでも痛みがほとんどでなくなっています。
この方は7年前に治療したのですが、7年経った今でもハードル競技を続けており、このときに治療した右膝は今も全く痛くなく、競技ができていると話してくださっています。
特に、治療後2,3か月してからは、違和感が一切なく、その後もトレーニングを重ねても再発するような予兆もなかったため、再発への不安やストレスなく競技をできているのが有難いと話してくださいました。
というわけで、今回は鵞足炎にカテーテル治療をすることで、長期にわたって改善が得られている症例を紹介させていただきました。