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2年間、何をやっても治らなかった外陰部の痛み。誘発性膣前庭痛の治療実例

女性 / 40代 / 東京都在住 /

受診までの経過SIGN AND SYMPTOM

誘発性膣前庭痛では、膣入口部の粘膜組織に血管と神経が一緒になって過敏さが生じる「神経原性炎症」という状態が起きていることが知られています。
この神経原性炎症への有効な治療法は今まで報告されていなかったのですが、最近になって、異常な血管を減らすカテーテル治療というものが開発され注目されています。

今回紹介したいのは、様々な治療を試みたものの改善が得られなかった誘発性膣前庭痛の方に、カテーテル治療が有効であった症例です。

2年前に細菌性膀胱炎になり、それが治ったころから膣の入り口(膣前庭)に下着があたるだけでビリビリとした痛みが走るようになったとのことです。
椅子に座るのがつらく、また性行為は触るだけで痛いので全くできませんでした。
ズキンと重い痛みが出て、それに伴い尿意も感じる状態だったそうです。日常生活にも大きく支障がでていました。

ペインクリニックでは神経痛の薬(リリカ、トラマール、牛車腎気丸)を1年間飲んだものの改善せず、また、精神的な原因だとされて抗うつ剤を1年間飲んでもさらに改善せず。さらに様々なブロック注射を試したそうですが、大きな改善は得られなかったようです。

困り果てていたときに、痛みの原因と新しい治療法を探していたところ、友人からモヤモヤ血管とオクノクリニックのことを知り、当院を受診されました。

治療時の所見FINDINGS

外陰部を観察すると小陰唇の内側の膣前庭の粘膜はわずかに発赤しており、また同部位を湿らせた綿棒で軽く刺激すると痛みがでることから、血管と神経が一緒になって増え過敏な状態(神経原性炎症)になっていると考えました。
神経原性炎症へのカテーテル治療が効果的と説明し、治療を受けていただくことになりました。

カテーテル治療の際には血管を撮影しますが、陰部の動脈から異常な血管が膣粘膜にできていることがわかり、それを治療して異常な血管が減ったことを確認して治療を終えています。治療は30分ほどで終わり、術後も特に制限はなく、当日から普段の生活をおくっていただきました。

治療後の経過FOLLOWING THERAPY

治療の翌日から尿道付近の普段感じていた痛みがなくなっていることに驚いたそうです。
また、1か月ほどするとズシっと重く深部に響くような痛みがなくなり、下着が当たるだけで耐えられないような痛みの回数も大幅に減ったそうです。

初回の治療から3か月経過した時点で、だいぶ改善は見られたもののまだ日常生活では痛みを感じることがあり、2回目の治療を受けていただくことにしました。(カテーテル治療は点滴のあとのような傷しかつかないので、複数回受けていただくことができます)

2回目の治療を終えると、さらに痛みの範囲は狭くなり、自転車に乗ることも不快感なくできるようになったと喜んでくださいました。

現在は2回目の治療から2年が経過しますが、痛みの再発はなく調子の良い状態が続いています。

誘発性膣前庭痛は、原因不明の痛みとしてまともに泌尿器科や婦人科で診てもらえないという方もいるかもしれませんが、カテーテル治療という新しい方法があることも知っておいてください。

以上、誘発性膣前庭痛による2年間続いた外陰部の痛みに、カテーテル治療が有効であった症例の紹介でした。





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