治療実例

INSTANCE

リウマチ性多発筋痛症による両肩痛への運動器カテーテル治療実例

女性 / 70代 / 東京都在住 /

受診までの経過SIGN AND SYMPTOM

リウマチ性多発筋痛症は、50歳以上の中高年者に発症し、首、肩、腰、股関節、膝などの痛みの原因となる病気です。

病気の原因が判明していない炎症性の病気です。
治療は飲み薬(ステロイド)が第一選択ですが、炎症をおさえても痛みが十分に取れない方もいらっしゃいます。

そのような方の場合、痛みの生じている部位に「不要な血管」ができてしまい、血管とともに神経も増えるために痛みが十分に改善されないことがあります。このような不要な血管は、正常な血管よりも見た目が異常でモヤモヤとして見えることから、一般の方向けに「モヤモヤ血管」とも呼ばれます。

今回紹介したいのは、リウマチ性多発筋痛症による両肩の痛みでモヤモヤ血管が原因となっており、カテーテル治療が良く効いた70歳代女性の患者さんです。

この方は、オクノクリニックを受診する2か月前から誘引なく、両肩が痛むようになり、急激に痛みが強くなりました。
じっとしていても強く痛み、特に夜間、少し寝返りを打つだけで激痛がはしり、満足に眠れなくなりました。
ご自宅の近くの整形外科を受診し、ステロイドの注射を受け、痛み止めを処方され飲んでいましたが、痛みは全くよくなりませんでした。
痛みは一生改善されないのでは・・・と、途方に暮れていたところ、オクノクリニックのことを知り受診されました。

当院を来院いただいた際、超音波の検査では両肩とも炎症の所見が強く、滑膜炎と呼ばれる肩関節の炎症がとても強い状態でした。
また、強い炎症が原因と思われる腱板(けんばん、筋肉と骨の接合部分)と呼ばれる部分の断裂を認めました。
当院でもまずは注射の治療を行いましたが、肩の激痛は続き、カテーテルの治療を行いました。

治療時の所見FINDINGS

カテーテル治療時に、痛みの該当箇所を見たところ、通常の肩関節周囲炎と比較して、多くの部位に異常な血管(モヤモヤ血管)を認めました。治療後に採血で精密検査したところ、MMP-3とCRPと呼ばれる全身の炎症を反映する値が高く、リウマチ性多発筋と診断されました。

治療後の経過FOLLOWING THERAPY

カテーテル治療後、痛みは徐々に軽減してきました。治療前は寝返りをうつにも痛みが走り、夜も眠れない状態だったのが、久しぶりに眠れるようになったそうです。

日中肩の痛みが強くずっと辛い思いをしていましたが、痛みが軽くなり仕事に集中できるようになったと本当に喜んでいました。
現在も肩の痛みはゼロではありませんが、日常生活で困るような痛みが出ることなく1年経過した今も、痛みは再発なく過ごされています。

リウマチ性多発筋痛症もあるため、痛みの再発予防のために現在はステロイドの内服もしておりますが、非常に少ない量の内服だけで済んでいます。

リウマチ性多発筋痛症では、ステロイドの飲み薬だけで治療することが一般的ですが、それだけでは痛みが十分に取れなかったり、あるいはステロイドの飲み薬自体が副作用があるため、躊躇される方も多いと思います。

そのような場合は、カテーテル治療という選択肢もあります。もしお困りの方がいらっしゃいましたらご相談ください。





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