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小学生のときのハードル練習でのケガから数十年、触れることもできなかった右太もも内側の激痛が、カテーテル治療で「夢のよう」に改善した症例

女性 / 50代 / 東京在住 / 会社員

受診までの経過SIGN AND SYMPTOM

今回ご紹介するのは、50代の女性患者さんです。小学生の頃、体育のハードル練習で右太もも内側を強く打ったことがありました。ケガ自体はその場では「打撲」として扱われましたが、それ以来ずっと、右太もも内側が触れるだけで激しく痛む状態が続いていたといいます。

普段の歩行はできていたものの、右足に体重をかけることができず、気づけばいつも左足ばかりに重心を置いて生活されていました。40年の間、「なんとなく右側を庇いながら歩く」ことが当たり前になっていたそうです。

複数の医療機関でMRIを撮影したところ、「筋肉の中に血の固まりがたくさんある」と言われました。しかし具体的な治療には至らず、「どこへ行っても解決しない」という状態が続いていました。このままだと老後に歩けなくなるかもしれないと将来への不安がありネット検索していたところ当院を知り初診に来られました。

治療時の所見FINDINGS

超音波(エコー)で患部を調べると、右太もも内側の筋肉(内側広筋)の中に、異常な血管のつながりが生じていることが分かりました。これが「外傷性動静脈瘻」と呼ばれる状態です。

通常、私たちの体では、心臓から送り出された血液は「動脈」を通って全身へ届き、毛細血管を経由して「静脈」へ戻り、心臓へ帰っていきます。この流れがあるからこそ、筋肉や組織に必要な酸素と栄養が届きます。

しかし、ケガなどで血管の壁が傷つくと、動脈と静脈が直接つながってしまう「抜け道」ができることがあります。この抜け道ができると、本来なら毛細血管をゆっくり通るはずの血液が、勢いよく直接静脈へ流れ込んでしまいます。そのため、周囲の筋肉には血液が十分に届かなくなり、また血管の周囲には過剰な圧力がかかって炎症が起きます。これが「触れるだけで激しい痛みが起きる」原因です。さらにこの状態が長年続くと、異常な血管がどんどん増え、症状が慢性化してしまいます。

この患者さんの場合、小学生の頃の打撲で血管の壁が傷ついたことが引き金となり、数十年にわたってこの異常なつながりが続いていたと考えられます。

造影CT・血管造影(血管の中に造影剤を流して詳しく見る検査)で異常な血管のつながりを確認しました。この血管の血流を改善するカテーテル治療を行いました。治療では、足の付け根の内側にある血管から、ごく細のチューブ(カテーテル)を挿入しました。カテーテルを右太ももの内側にある出血の原因となっている血管まで進め、そこにコイルを入れて血管を内側からふさぎ、血流を止めました。

このように、血管の中から出血の原因となる血流を止める治療を「血管塞栓術」といいます。当院では、カテーテル治療を日帰りで行っています。

治療後の経過FOLLOWING THERAPY

治療からわずか3日後、患者さんからメッセージが届きました。「痛かった右太ももが改善されて、夢のようです。ありがとうございました」という内容でした。

約40年間、触れるだけで激しい痛みが走っていた右太もも内側が、治療後から痛みが和らぎ始めました。1ヶ月後の経過観察では、「以前は触れるだけで痛かった部分が、今は触れても痛くない」とおっしゃっていただきました。階段の上り下りで感じていた痛みも和らぎ、右足に体重をかけて立っても痛くなくなったため、無意識に左足ばかりに逃がしていた重心が、自然と両足に戻るようになってきたとのことでした。
3ヶ月後には歩行・階段昇降ともに痛みなく行えるようになっており、その後は長年の庇いによって弱くなった筋力の回復に向けたコンディショニングを継続されています。

「子供の頃のケガだから仕方ない」「もう何十年も経つから治らない」と諦めていた方にも、血管の異常なつながりが根本原因であれば、カテーテル治療でアプローチできる可能性があります。

痛みが長年続いていても、また「触れるだけで痛む」「その部分だけ体重をかけられない」という症状にお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

保険診療です。





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