治療実例
INSTANCE足首の手術後に繰り返す出血と痛み|動静脈瘻に対するカテーテル治療でサッカー復帰を目指した18歳学生の症例
男性 / 10代 / 東京在住 / 学生(サッカー)
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
今回ご紹介するのは、サッカーに打ち込む18歳の学生さんです。足首の痛みがひどく他の病院で手術を受けたものの、その後から出血が繰り返し起こり、「歩くたびにかかとが痛く、腫れもなかなか引かない」という状態が続いていました。
手術後のケガというと、時間が経てば自然に落ち着くと思われがちですが、この患者さんのように、なかなか改善しない場合には血管の問題が隠れていることがあります。大好きなサッカーはもちろん、日常の歩行もつらい状況が続き、痛みのため、思うように足を動かせない日々が続いていました。担当医からのすすめで、当院を紹介され初診にこられました。
治療時の所見FINDINGS
超音波(エコー)で患部を詳しく調べたところ、足首の周辺に血液が溜まっており、通常よりも血流が増えている部分が見られました。さらに詳しく血管の状態を確認すると、本来つながってはいけない動脈と静脈が、異常なつながり(動静脈瘻)を作ってしまっていることが確認されました。
私たちの身体には、心臓から血液を送り出す「動脈」と、心臓へ血液を戻す「静脈」があります。通常この二つは直接つながっておらず、毛細血管を経由して穏やかに流れます。しかしケガや手術などで血管の壁が傷つくと、動脈と静脈が直接つながってしまう「抜け道」ができることがあります。これが「外傷性動静脈瘻」で、勢いのある動脈血が直接静脈に流れ込むことで、周囲の組織への血液供給が乱れ、治りにくい痛みや繰り返す出血の原因となります。
この患者さんにはカテーテル治療を行いました。鼠径部から極細のチューブを挿入し、炎症や出血の原因となっている異常な血管に直接薬を届けて治療しました。また、動脈と静脈が異常につながっている部分には、専用の細いコイルを使って血流を止める処置を追加しました。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
治療が終わった直後から、足首の痛みが和らいでいるのを実感しました。治療前は痛みが強く、松葉杖なしでは歩くことも難しい状態でしたが、治療から約2週間後には松葉杖をつきながら学校に通えるようになり、1ヶ月ほど経つと松葉杖も返却でき、日常生活を普通に送れるようになっていました。現在はサッカー復帰を目標に、リハビリに前向きに取り組んでいます。
スポーツや手術を経験した後に、なかなか引かない腫れや繰り返す出血にお悩みの方がいらっしゃいます。「手術後だから仕方ない」と思わずに、その背景に「血管の異常なつながり(動静脈瘻)」が関わっている可能性も考えてみてください。血管にアプローチするカテーテル治療は、皮膚を大きく切らずに行える日帰り治療です。痛みや腫れが長引いてお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
保険診療対象です。



