治療実例
INSTANCE排尿前後の激痛で椅子にも座れない、抗生剤が効かない間質性膀胱炎の治療実例
女性 / 60代 / 福島県在住 / 会社員
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
間質性膀胱炎は、細菌感染がないにもかかわらず膀胱に慢性的な炎症が起き、頻尿や激しい痛みが生じる病気です。今回ご紹介するのは、約1年半前から原因不明の膀胱の不調に悩まされていた女性の方です。
当初は頻尿の症状から始まりましたが、次第に尿意を感じると押されるような感覚や、排尿後もヒリヒリするような違和感が現れ始めました。泌尿器科で検査を受けても尿に細菌などの異常はなく、抗生剤を服用しても症状は全く変わりませんでした。
その後、婦人科で別の疾患(ヘルペス)の治療を受けて完治したものの、膀胱やデリケートゾーンの痛みだけが残り、むしろ悪化していきました。
特に排尿前後の激痛と椅子に座れないほどの痛みがあるにもかかわらず明確な病名がわからず患者さんを苦しめていました。尿が溜まってくると恥骨や性器全体にズキッとした重い痛みが走り、夜間でも痛みで目が覚めてしまうほどでした。また、下着や服が擦れるだけでもヒリヒリとした痛みがあり、仕事である立ち仕事も長時間続けられず、座ることも辛いという、日常生活がままならない状態で当院を受診されました。
治療時の所見FINDINGS
問診と症状から、間質性膀胱炎(および一部、誘発性膣前庭痛の合併)が疑われました。
この病気の痛みの背景には、膀胱や周囲の組織に「モヤモヤ血管」と呼ばれる異常な血管が増え、神経が過敏になっていることが関与していると考えられます。
カテーテル治療では、足の付け根から細い管を通し、膀胱やデリケートゾーンへ向かう血管(上膀胱動脈や内陰部動脈)の状態を確認しました。
造影検査の結果、これらの血管に炎症特有の「濃染(のうせん)」と呼ばれるモヤモヤ血管の集まりが確認されました。
また、治療中に薬剤を流した際、普段感じている「いつもの激しい痛み」が再現される「再現痛」が強く認められました。これは、治療している血管が痛みの原因そのものであることを示しています。
この異常血管に対し、炎症を鎮めるための薬剤を投与し治療を行いました。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
治療直後は一時的に痛みが出ましたが、帰宅する頃には症状は軽減していました。治療から1ヶ月後の経過確認では、以前のような「椅子に座れない」「立っていられない」という辛さが消失していました。
治療前は排尿前後に激痛がありましたが、現在は「排尿後の痛みはほぼない」状態まで改善しています。尿が溜まるときにピリッとした疼くような感覚がたまに出ることはありますが、その程度は減っており、痛みの強さが改善されていることを実感されていました。
頻尿傾向は残るものの、椅子に座ることや仕事で長時間立っていても痛み自体が気にならなくなったことで、日常生活の質は劇的に向上しました。
一時は「どうしようか」と途方に暮れていた患者様からも、「波はあるものの良い状態で安定しており、カテーテル治療をして本当によかった」とのお言葉をいただきました。
抗生剤が効かない長引く膀胱やデリケートゾーンの痛みは、血管へのアプローチで改善する可能性があります。同じような症状で「治らない」と諦めている方は、ぜひ一度ご相談ください。

