治療実例
INSTANCE繰り返す裂肛の痛みと痔の出血・脱出にカテーテル治療が有効だった症例
男性 / 40代 / 東京都在住 / 会社員
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
イボ痔(内痔核)の脱出や出血、そして裂肛(切れ痔)による強い痛みに10年・20年以上とお悩みの方は少なくありません。今回ご紹介するのは、繰り返すイボ痔と切れ痔の症状、特に排便時の激しい痛みと出血にお困りだった方の症例です。
この患者さんは、何年か前から内痔核の脱出を自覚されていました。排便時にイボが出てくることがあり、完全に肛門から脱出することもありました。
出血もひどい時にはトイレットペーパーに多量の血液が付着するほどでした。特に、脱出を指で押し戻す際には、ポタポタと出血がみられ便器が真っ赤になる状態でした。その度に耐えられないほどの激痛が走り、戻した後もしばらく痛みが続いてしまうため、排便の度に大きな苦痛を感じていました。
さらに、1ヶ月ほど前からは常に痛みが続くようになり、過去には月1回ほど裂肛(切れ痔)による強い痛みが約1週間持続することもあったとのことです。このような痛みが繰り返すことで、日常生活や仕事にも支障をきたし、精神的な負担も大きくなっていきました。
肛門科で軟膏などの処方を受けましたが、症状はまったく改善しませんでした。切る手術には抵抗があり、体に負担の少ない治療法を探されている中で、当院のYoutubeで痔のカテーテル治療を見て受診を決めました。
治療時の所見FINDINGS
視診と肛門鏡を使って診察をしました。内痔核による異常な血管が確認されました。このような不要にできた異常な血管は、神経と一緒になって増えるため出血や痛みの原因となることが知られています。身体に負担の少ない、切らない痔のカテーテル治療を患者さんに提案しました。
当院で行っている痔のカテーテル治療は、お尻や肛門には一切触れない切らない治療です。足の付け根など、肛門から離れた場所の血管から非常に細く柔らかいカテーテル(チューブ)を挿入し、痔の原因となっている肛門周囲の異常な血管「モヤモヤ血管」まで慎重に進めます。
そして、モヤモヤ血管を減らす薬を注入し、治療します。治療自体は局所麻酔で行い、痛みを感じることはほとんどありません。日帰りで受けていただけ、治療後すぐに日常生活に戻れるのも特徴です。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
カテーテル治療後、患者さんは劇的な症状の改善を経験されました。治療直後から痛みがなく、特に翌日からは全く痛みを感じなくなったとのことでした。これまでの排便時の激痛から解放され、大変喜ばれていました。
出血についても、治療前は排便の度に毎回見られていたのが、治療後はほぼ出血が見られなくなりました。便器が真っ赤になることもなくなり、出血の不安から解放されたことで精神的にも非常に楽になられたとのことです。
さらに、悩みの種だった裂肛による痛みも完全になくなりました。かつては月に1回ほど1週間も痛みが続くことがあったのが、治療後は全く痛みを感じない状態になられています。
痛みや出血が改善したことで、日常生活における苦痛は大幅に軽減されました。現在は痛みがなく、出血もほぼない良好な状態を維持されており、痔で悩んでいたことを忘れるくらいに快適だと笑顔でお話くださいました。
他院での治療で改善が見られなかった方や、手術の痛みに抵抗がある方にとって、お尻に触れず痛みもほとんどないカテーテル治療の選択肢があることを知っておいてください。
※保険対象診療です。