治療実例
INSTANCE長時間座れない!10年以上慢性前立腺炎に苦しんでいた40代男性に有効だったカテーテル治療
男性 / 40代 / 千葉県在住 / 会社員
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
慢性前立腺炎は男性の敵の一つとも言われ、その症状で苦しむ方が多い病気ですが根本的な治療がなく薬などで過ごしている人がほとんどです。
今回ご紹介するのは、仕事に真面目に取り組む40代半ばの会社員男性で、10年以上慢性前立腺炎の症状に悩まされていました。特に長時間のデスクワークで座っていることがきつく、お尻や骨盤の下、お尻の穴や陰部の近くにヒリヒリと焼けるような痛みが続いていました。
病院で処方された抗生物質や漢方薬など様々な治療を試しても改善が見られず、半ば諦めていた状態でした。そのような中、YouTubeで当クリニックの動画をご覧になり仕事に集中できるよう、この不快感を治したいと思い来院されました。
治療時の所見FINDINGS
診察では前立腺に多少の腫れが確認され、直腸診で前立腺を刺激すると、普段から患者さんが痛いと感じていた部分であることが分かりました。MRI検査を行ったところ、炎症を疑わせる所見が認められました。
患者さんにはカテーテル治療を提案しました。足の付け根から、非常に細い(直径0.6mm)のカテーテルを挿入し、前立腺の近くまで進めました。前立腺の周囲には「モヤモヤ血管」と呼ばれる異常な血管が多数見つかり、これが痛みの原因と考えられました。そこにモヤモヤ血管を治療するお薬を流し込み、治療は約30分で終わりました。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
治療後、患者さんは不快感が大幅に減ったと実感されていました。約1ヶ月後には、治療前を10とした痛みが6割程度まで減少したと感じられました。
3ヶ月後には、仕事中の勤務時間内はすべて座れるようになり、集中して仕事に取り組むことが可能になりました。
慢性前立腺炎の症状スコアも治療前の20点から5点まで大幅に減少し、これはほぼ正常に近い生活が送れる状態を示しています。現在、治療から半年が経過していますが、患者さんは良好な状態を維持されており、医師の経験では、今後再発する可能性もそこまで多くなく、2〜3年の経過で再発する人は10%程度と予測されており、このまま良い状態をキープできると期待されています。
前立腺炎の痛みは、「激痛」ではなくても、じわじわと精神的に追い詰められるようなつらさがあります。しかもそのつらさは、なかなか周囲には理解されにくいものです。
何十年も我慢してきたという方も少なくありません。
「もう仕方ない」とあきらめる前に、ぜひ一度ご相談ください。