治療実例
INSTANCE正座ができない!10年間悩んだ左膝の痛みへのカテーテル治療
男性 / 60代 / 東京都在住 / 主婦
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
階段の昇り降り、しゃがむ、畳に座るなど日常生活に欠かせない動作のたびに膝に激痛がはしるとしたらどうでしょうか?頭の中から離れない痛みへの不安と恐怖は日常生活に気持ちの支障まできたします。
今回ご紹介するのは、10年以上にわたり左膝の痛みに悩まされてきた主婦の方の症例です。
10年前から左膝に違和感があったものの当初は「硬さ」を感じる程度だったそうです。その後は徐々に痛みを強く感じるようになり、ふいに動いた際に強い痛みが生じたり、正座が困難になったりと、徐々に症状が悪化していきました。
整形外科には以前から通院されており、ヒアルロン酸注射を月1回のペースで継続されていましたが、症状がよくなることはなく根本的な治療には至りませんでした。
「ずっと我慢してきたけど、正座もできない症状にもう限界かもしれない」そんな想いの中、ご主人が以前オクノクリニックで治療を受けていたことを思い出し、ご自身も相談にいらっしゃいました。
治療時の所見FINDINGS
レントゲンでは見た目の変形は軽度でした。しかし、MRIを撮影して膝関節の内部を詳しく評価したところ、左膝の内側に強い炎症反応(モヤモヤ血管と呼ばれる炎症を引き起こす異常な血管の所見)を認めました。
このような場合には、膝にできてしまったモヤモヤ血管を減らす日帰りのカテーテル治療を行なうことで、痛みが効果的に改善することがわかっていたので、そのような治療をお勧めしています。局所麻酔で足の付け根から、点滴の際と同じような小さな傷でカテーテルを挿入し、患部にお薬をながし30分ほどで治療を終えました。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
治療後は早期から改善がみられ、これまで10段階で「10」と感じていた痛みが、わずか「1」にまで軽減しました。ご本人も「頭の中から痛みが消えて、本当に気持ちが楽になった」と話されており、長年にわたって悩まされてきた苦痛からの解放に大きな安堵を感じていらっしゃいました。
正座が難しかった膝の動きもスムーズになり、これまで負担に感じていた階段の昇り降りも痛みなくできるようになりました。当初から訴えておられた「膝の硬さ」も和らぎ、身体全体の動きが軽くなったと実感されています。さらに、膝に集中していた痛みが軽減したことで、気づけば以前からあった腰の重だるさまでもが軽くなっていたとのことです。
なお、治療後の夜から翌朝にかけて軽い痒みが出現しましたが、皮膚科で処方された外用薬を塗布することで症状はすぐに落ち着きました。
「こんなにも痛みのある生活とない生活とで、気持ちも行動も変わるのかと驚きました。気持ちが前向きになり、家事や買い物も楽しくこなせるようになって、生活が本当に順調に回るようになりました」と、にこやかに語ってくださいました。
見た目の変形が軽度でも、膝の内部では炎症や異常血管が進行しているケースは少なくありません。 今回のように、“変形は軽度”といわれ治療方法がなかった方でも、モヤモヤ血管へのカテーテル治療によって痛みが劇的に改善する可能性があります。
日々の動きの中で「また膝が痛むのでは」と不安を感じている方にこそ、ぜひこの選択肢を知っていただきたいと感じています。