治療実例

INSTANCE

10年以上続くアキレス腱の痛みにカテーテル治療が効いた症例

女性 / 30代 / 鹿児島在住 / 農家

受診までの経過SIGN AND SYMPTOM

アキレス腱炎はランニングを伴う運動や仕事での負担で発症する疾患で、かかとの痛みの原因として頻度の高い病気です。多くの方がかかるにもかかわらず、これまでには決定的な治療法がなかなか見出されていませんでした。

しかし、最近になって、カテーテル治療や動注治療という最新の治療法が開発され、長期間悩んでいたアキレス腱炎の症状が解決できることも増えてきました。

今回ご紹介したいのは、10年以上前から両足のアキレス腱に慢性的な痛みを抱えていた30代女性の方です。

この方は両足のアキレス腱に症状があり、特に右側の痛みと腫れが強く、朝起きた直後にはアキレス腱がこわばってしまい、ベッドから立ち上がるのも困難な状態でした。

日中もアキレス腱の腫れと痛みが続き、指で触れるだけでも強い圧痛があり、つま先立ちをする動作や階段の昇り降り、坂道を歩くといった日常の何気ない動作にも苦痛を伴っていました。普通に歩くことさえつらく、買い物や外出を控えるようになり、生活の質が大きく低下していたといいます。

お仕事は農業をされており、日常的にしゃがみ込む作業や重いものを持つことが多く、アキレス腱への負担がかかる環境でした。特に田植えや収穫作業の時期には症状が悪化し、痛みで仕事を休まざるを得ないこともあったとのことです。

これまで整形外科や整骨院を複数受診しましたが、湿布を処方されて「安静にしなさい」というアドバイスしかもらえず、根本的な解決にはいたりませんでした。

このままでは「農作業もできなくなり将来的に歩けなくなるのではないか」と不安を感じていた中、インターネットで当院のアキレス腱炎のカテーテル治療のホームページを見てこれなら治るかもと思い受診されました。

治療時の所見FINDINGS

MRI検査を行ったところ、両側のアキレス腱が通常より明らかに太くなり、白く映っていました。MRIで白く映るのは、炎症によって異常な血管が生じ、そこから水分が漏れ出しているサインです。炎症を引き起こす異常な血管「モヤモヤ血管」が認められ、痛みの原因になっていると考えられました。

通常、軽度から中等度のアキレス腱炎であれば、局所の動脈注射による治療が可能ですが、この患者さんのような重症例の場合、より改善が期待できる「カテーテル治療」を提案しました。

カテーテル治療の際には、患部に異常な血管が非常に多く認められ、異常な血管を減らす薬を流して治療を終えています。

治療後の経過FOLLOWING THERAPY

治療後わずか1週間で、これまで悩まされていた強い痛みが大きく改善されたと喜んでくださいました。朝起きた際の「最初の一歩」がスムーズに出せるようになり、これまでベッドの縁に座って何分も悩んでいた立ち上がり動作が、ほとんど痛みなくできるようになりました。

1ヶ月後の外来診察では、とても明るく元気な様子で歩いて来院され、「今では普通に歩けるのが本当にうれしい」「つま先立ちやしゃがむ動作も、痛みを気にせずできるようになりました」と、大変喜ばれていました。

特に印象的だったのは、「何年ぶりかに家族で近くの公園を散歩ができました」と話してくださったことです。以前は歩くのも億劫で、外出を避けていた生活が一変し、日常の中に楽しみが戻ってきたと感じられている様子でした。

アキレス腱炎の治療では再発予防も重要なため、その後はリハビリテーションを継続していただき、再発しにくい身体づくりに取り組まれています。現在も定期的に外来通院を継続中です。

アキレス腱炎は早期であれば動脈注射治療でも対応できますが、今回のように重症化した場合は、カテーテル治療が非常に有効です。長年の痛みにお悩みの方は、お気軽にご相談ください。





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