治療実例
INSTANCE再生医療も効かない膝がカテーテル治療で「山に登れる膝」に改善した症例
女性 / 50代 / 東京都在住 /
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
この患者さんは、登山が趣味の50代女性で、競技的なスキーなどを続けておられました。過去に前十字靭帯損傷の既往があり、手術歴もありました。ある夏の登山後、突然膝が強く痛み、下山できないほどの症状になりました。整形外科を受診したところ「変形はあるがそこまでではない」と言われたものの、痛みの症状は一向に改善しませんでした。
再生医療を扱うクリニックを受診し、30万ほどするPRP療法や100万円以上かかる培養幹細胞治療も受けましたが、治療を重ねるうちに膝に水や血液が頻繁に溜まるようになってしまい、3日に1回のペースで注射して水や血を取り除く日々が続きました。
どうしようかと困り果てていたところ、友人が「私はオクノクリニックの治療で、数年痛めた膝がなんともなくなった」という話を聞いて、当院を受診されました。
治療時の所見FINDINGS
MRIでは関節内に大量の水・血液が溜まっている様子が確認できました。これは、関節内にできた不要な血管が原因で、そこから水の漏れ出しや出血が起きている状態でした。また治療前の血管造影では、膝の内側に「モヤモヤ血管」と呼ばれる異常な血管が広がっているのが確認できました。
この患者さんには、膝のカテーテルを行いました。アメリカやドイツではすでに保険診療として行われている治療法で、日本でも出血を伴う関節症例では保険適用となります。
治療は、足の付け根から直径0.6mmの柔らかいチューブを挿入し、膝の関節周囲にある異常な血管にモヤモヤ血管を減らす薬を注入し約30分ほどで終わりました。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
術後すぐに水や血が溜まる症状はなくなり、3日おきに水や血を抜くために病院に通っていた生活から解放されました。1週間後にはひざの腫れが劇的に改善し、1か月後には階段の昇り降りがスムーズにできるようになりました。
3か月後には正座もでき1年以上経過した今も水や血が溜まる症状は再発せず登山も徐々に再開されています。
「保険診療でこんなに良い結果が得られるなら、PRPや幹細胞をする前に来ればよかった!!」とおっしゃっていただきました。
「膝に水が溜まる」「血が溜まる」と言われた方の多くは、関節内に異常な血管ができていることが原因のことがほとんどです。繰り返し水を抜いても改善しない方や、穿刺の頻度が高い方は、ぜひこのような選択肢があることを知っておいてください。保険診療で対応できる場合もありますので、ぜひご相談ください。