治療実例
INSTANCEPRP療法が効かなったジャンパー膝に、カテーテル治療が有効だった治療実例
女性 / 30代 / 兵庫県在住 / ランナー
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
ジャンパー膝(膝蓋腱炎)とは、ひざのお皿の真下に位置する膝蓋腱に炎症が起こり、痛みが生じる疾患です。バレーボールやバスケットボールなどジャンプ動作を繰り返すスポーツ選手に多いのですが、長距離ランナーのように膝に継続的な負担がかかる競技でもよくみられます。
今回ご紹介するのは、世界的に活躍する30代女性のマラソン選手の症例です。約1年前から膝の痛みが出始め、徐々に悪化していました。他院の整形外科でPRP療法を複数回受けたり、週1回の衝撃波治療を続けたりしましたが、十分な改善が得られずにいました。
次第に日常生活でも歩行がつらくなり、「走るとさらに痛みが強くなるのでは」という不安から、思うようにトレーニングに集中できない日々が続いていました。
治療時の所見FINDINGS
当院での初診時の超音波検査を行った結果、膝蓋腱が厚くなり、不要な異常血管(モヤモヤ血管)が増えていることが判明しました。さらに膝蓋腱だけにとどまらず、膝の奥にある脂肪体にも炎症が広がっていることが確認されました。
当院では、このモヤモヤ血管が痛みを引き起こす原因と考えカテーテル治療を実施しました。
モヤモヤ血管に直接お薬を注入し、血管を塞ぐことで炎症を鎮静化し痛みを軽減します。超音波と血管造影検査を併用し、炎症の広がった脂肪体の部分まで治療を行いました。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
この患者さんは、非常に回復が早くカテ後5日目には軽い練習を開始し、2週間後には負荷の強い運動もはじめました。治療後1ヶ月で本格的な強度の高いランニング練習に復帰することができました。さらに、治療2ヶ月後には痛みを感じることなくマラソン大会にも出場され、無事に完走されています。
特にアスリートの方は、身体の使い方が整っていることに加えて回復力も高いため、早期の改善が期待できることがあります。
ジャンパー膝は軽症の場合、ストレッチやリハビリなどで改善することもありますが、痛みが年単位と続いて重症化している場合には、カテーテル治療など専門的な治療が有効となります。
なかなか改善しない膝の痛みでお悩みの方は、カテーテル治療を検討することをおすすめします。