治療実例
INSTANCE手術を勧められていたもののカテーテル治療が著効した、腱板断裂の治療実例
男性 / 50代 / 東京都在住 /
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
腱板断裂の痛みを治したいものの、手術は大変だから受けたくないという方はたくさんいらっしゃいます。
そのような場合に、日帰りでできる「カテーテル治療」という最新治療を受けることで腱板断裂の痛みが改善されることが知られてきました。
今回紹介したいのは、右肩の腱板断裂による痛みがなかなか治らず、整形外科では手術を勧められていたものの、カテーテル治療で顕著に改善した症例です。
58歳の男性の患者さんです。
1年半ほど前に転倒したことをきっかけに右肩に痛みが発生し、リハビリを半年、ステロイド注射を3回受けたものの痛みが改善せず、動作時や夜間、じっとしていても強い痛みがあり困っていました。明け方に痛みで目が覚めて、毎日が憂鬱だと感じていたそうです。
そんな時に、知人が五十肩の痛みが治ったからという紹介で、当院のカテーテル治療のことを聞き受診されました。
治療時の所見FINDINGS
MRIで確認すると、右肩には断裂幅1cm未満の腱板断裂があり、また腱板疎部や肩峰下滑液包というところには炎症による水のたまりがあることが確認できました。
炎症血管を消滅させるためのカテーテル治療で効果が期待できることをご説明して、治療を受けていただくことになりました。
治療の際にはMRIで確認できた病変部に異常な血管を確認し、異常な血管を消滅させるための薬剤を流して終えています。治療時間は30分ほどでした。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
治療後は当日の夜から夜間痛が改善し、「あの日以来ぐっすり眠れています」と喜んでくださいました。また動かしたときの痛みも2週間後にはほとんど消失したと改善を報告してくださいました。
車の運転や着替えの動作でも痛かったそうですが、そのような痛みからもすぐいに解放されて、思い切って受けてよかったとおっしゃってくれています。
この方はすでに治療を行なってから8年が経過していますが、今も右肩は非常に良い状態が続いています。最近になってMRIを撮影しましたが、炎症は治まっており、また腱板断裂の進行も認めませんでした。
実は、腱板断裂があっても6割の人は痛くないことが知られています。
ではなぜ一部の人には痛みが出るかというと、断裂した腱板の周囲やそのほかの部位に炎症が生じてしまい、それにより神経が刺激され痛みがでるのです。
それらの炎症には新しい血管ができてしまっているため、その新しくできた血管を消滅させることで痛みは改善し、「痛くない6割の方の状態」にすることができます。
腱板断裂では手術をしなければ治らないと思われている方は、ぜひこのような治療ができるということも知っておいてください。