治療実例
INSTANCE2年間悩まされていた肘内側側副靭帯(MCL)損傷の痛みへのカテーテル治療実例
男性 / 10代 / 東京都在住 / 高校生
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
野球やテニスなどのスポーツで生じる肘内側側副靭帯(MCL)損傷は、症状が長引きやすく、中には手術が必要になる選手もいます。
しかし、最近になって手術ではなく復帰に時間の要さないカテーテル治療という治療法が開発されて、MCL損傷の治療に応用されています。
今回紹介したいのは17歳のテニス部の高校生です。2年ほど前から肘の内側の痛みを訴えていました。練習のしすぎと言うことで練習を休むものの、改善せず、リハビリや電気治療、注射等を繰り返していたそうです。テニスのフォアハンドの動作で痛みが出ますが、それだけでなく、重いものを持つ時や寝てる時にまで痛みが出るようになり、主治医の先生から今のままでは治らないと言うことで、当院を紹介されました。
治療時の所見FINDINGS
MRIでは肘内側側副靭帯のすぐ近くに損傷を認め、またその近くの骨の中にも高信号領域を認めました。MCL損傷と判断し、そのような MCL損傷の場合は、異常な血管が靭帯の周囲にできてしまい、血管と一緒に神経が生じてしまい治りにくいためになっていることを説明しました。
カテーテル治療の際には、患部に明らかな異常血管が認められました。異常な血管を減らす薬を投与して終えています。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
治療後すぐに日常生活の痛みは大幅に減りました。2週間ほどはテニスを休み、その後は1割くらいの強度の練習から再開しました。1ヵ月半ごろした頃に少し痛みのぶり返しがありましたが、それも様子を見ていくと自然に減り、その後は2ヶ月後3ヶ月後と徐々に強度を上げフルの練習や試合にも復帰することができました。
現在は治療から3年以上経過していますが、大学でもテニスを続けています。痛みを気にすることなくテニスを続けることができて、とてもうれしいとご本人も話してくれました。
MCL損傷では、なかなかリハビリ等では良くならずに、かといって手術をするとなると、復帰までにかなりの時間を要することなどから、悩んでいる方もいると思います。手術以外にもカテーテル治療と言う方法があることもぜひ知っておいてください。