治療実例
INSTANCE歩行困難になるほどの痛み有痛性外脛骨への日帰りカテーテル治療実例
男性 / 10代 / 大阪府在住 / 小学生
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
有痛性外脛骨は、リハビリをしてもなかなか治らない人が多く、かといって手術をしても痛みが残る人が多いため、痛みを付き合っていくしかないとあきらめている方も多い疾患です。
しかし最近になって、カテーテル治療という20分ほどで終わる日帰り治療ができるようになり、高い効果を挙げています。
今回紹介したいのは、サッカーによる痛みで苦しんでいた11歳の男の子です。
8ヶ月前からサッカーの練習中に右足に激痛を自覚するようになり、練習後は足の内側が赤く腫れ、歩行困難になるほどでした。整形外科を受診し、有痛性外脛骨が原因ではないかと診断され、練習を休むように指示されています。練習を休むと確かに若干は痛みが軽減するものの、練習を再開すると再び痛みが強くなる、ということを繰り返していました。
安静や湿布などの保存療法では根本解決にならず、根本治療を探していたところインターネットで当院を見つけ受診されました。
治療時の所見FINDINGS
来院時は右足の内側にある外脛骨の部位に圧痛を認め、エコー検査でも外脛骨の周囲にドップラー信号があり、異常な血管が関与していることが疑われたためカテーテル治療を行いました。
カテ治療の際は、下記の写真のように異常な血管を認め、治療によって異常血管が減ったことを確認して治療を終えています。
〈右足〉
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
カテーテル後2週間ほどは運動を完全に控えていただき、その時点で圧痛や日常生活の痛みは完全に消失していました。運動復帰については、最初は1割ほどの強度の練習から再開して、週を追うごとに徐々に強度を上げてもらうようにしました。
2ヶ月目の段階では、練習中の痛みはほぼ消失し、チーム内の練習や試合にも出場できるようになっています。現在は治療から2年が経過しますが、痛みによる制限もなく中学でもサッカーを続けられています、と元気に話してくれました。
有痛性外脛骨は治療法がないとあきらめているひともいるかもしれませんが、20分ほどで終わるカテーテル治療という方法があることもぜひ覚えておいてください。
また、カテーテルと聞くと怖いイメージがあるかもしれませんが、ここで紹介した「痛みのカテーテル治療」で用いるのは、とても細くて(直径0,6㎜)柔らかい素材なので、非常に安全性が高く、点滴のチューブを延長したものです。