治療実例
INSTANCE長時間座れない!2年間苦しんだ仙腸関節炎の治療実例
女性 / 60代 / 在住 /
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
仙腸関節炎は、比較的若い年代から中年の女性に多く発症し、時に診断が難しく他の腰痛疾患と間違われることも多々あります。
また、診断されたとしても決定的な治療法がないとされてきました。
このため、慢性的に痛みや不快な症状に苦しんでいる方も多い疾患です。
しかし、最近になって、仙腸関節に生じた異常な血管を処理するカテーテル治療という新しい治療法ができて、改善される方もおおくいらっしゃいます。
今回ご紹介したいのは、2年前から仙腸関節炎と診断されていたものの、一般的な治療では全く改善されていなかった60歳代の女性の方です。
2年前から右腰から右の仙腸関節部に痛みを自覚し、坐骨神経痛と診断されていました。
症状は右の仙腸関節部から太ももの外側、ふくらはぎ外側にかけての痛みで、朝起きた時一番症状が強く、また長時間座っていると痛みが出現するので、車や電車で長距離運転できず、好きな旅行にいけなくなって困っていました。
当院受診までに、整形外科でリハビリテーション、整体、鍼灸治療、それでも良くならず、関節運動学的アプローチ(AKA療法)を行い、一時的な改善は認めるのですが、根本的には良くならず、途方にくれていました。
そんな中、カテーテル治療で腰痛が改善したという友人の紹介で当院を受診されました。
治療時の所見FINDINGS
診察では右の仙腸関節部からやや外側にかけて、圧痛点がありました。
また、MRIを施行したところ、仙腸関節部には明らかな骨折や異常は認めませんでした。また腰椎ヘルニアや脊柱管狭窄症も認めませんでした。
上記の所見から、慢性の仙腸関節炎と診断し、カテーテル治療を行いました。
カテーテル治療では仙腸関節を栄養する血管を中心に治療を行いました。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
治療後は時間をかけながら段階的に症状の改善が見られました。
まず治療当日の帰宅の際にいつもよりも痛みが少ないのと、足取りが軽いことを自覚しています。
1ヶ月を過ぎた頃から、朝に生じていた強い痛みが明らかに消失しました。
ただし庭仕事などの負担が増えると、一時的に痛みが悪化していましたが、それでも悪化する時間がだんだん短くなってきました。
長時間の座位でも痛みが出にくくなり、3ヶ月目には長距離車でも移動ができるようになって喜んでおられました。
1年以上経過した現在でも、症状の再発はなく、日々の生活や旅行ができるようになり喜んでおられます。
仙腸関節炎は痛みの出ている部位に異常な新生血管が増えてしまい、それとともに神経が一緒になって増えて痛みがでている場合があります。
カテーテルによる治療が有効なことも多いですので、お悩みの方はぜひご相談ください。