治療実例
INSTANCE手術でも治らないと言われた腰痛・臀部痛へのカテーテル治療実例
男性 / 40代 / 千葉県在住 /
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
腰痛・臀部痛は男性では最も頻度の高い症状でありながら、いまだに解決方法が確立されていない症状です。整形外科で「手術でも治せない」と言われたらあきらめるしかないと思ってしまうのも理解できます。
今回紹介したいのは、5年間続き治らないとあきらめていた腰痛・臀部痛に対してカテーテル治療が奏功した実例です。
内装業をされている方で5年前から腰痛・臀部痛を持っていたそうです。仕事で無理な姿勢を続けたり、重い器材を持つことも多かったりと、仕事が原因となった可能性があったと振り返っておられました。
特に受診前の2年間は毎日痛く、お尻が痛くて椅子に長時間座っているのも辛い。座っているなら立っているほうが楽なぐらいで、仕事も現場から変えてもらったものの、一向に改善せず。
整形外科やペインクリニックなどでブロック注射など行うも、効果はその日にしか見られず、翌日以降には全く同じ状態に戻ってしまったそうです。
腰痛専門クリニックにも行き手術を自ら希望したそうですが、MRIを撮影したところ、脊髄損傷のリスクが高く、手術は勧められなかったとのことでした。
治療時の所見FINDINGS
初めて当院にいらした時も、腰痛・臀部痛のために診察室の椅子に座れず、立って診察を受けておられました。初診の際にも少しでも痛みを軽くしたいとのことで腰部に注射をしましたが、痛みのために仰向けやうつぶせの体勢をとれず、左側臥位で注射を施行しました。
MRIではL3/4椎間板が圧排されており、上下椎体にも挫傷を認め、圧痛部位と一致していました。挫傷の所見がMRI上では脂肪抑制T2強調像という撮影方法で白く見えたことから、モヤモヤ血管(異常な新生血管)があると考え、カテーテル治療を提案しました。
また臀部痛の症状についても、MRIで両測臀部、股関節痛に新生血管の所見がみられました。
カテーテル治療時は、両側腰動脈、両側上殿、外側仙骨、腸腰、閉鎖、下殿動脈からモヤモヤ血管を減らすための薬剤を投与しました。術中の薬剤投与時に、痛みの原因部に薬が流れたことによる普段の痛みの再現(再現痛と呼びます)が得られ、また治療後には圧痛は改善していました。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
最初に感じた変化としては、臀部痛が1週間ぐらいで良くなり、椅子に座っても痛くなくなったと驚かれていました。治療から2週間したときに電話で話した際は、鼠径部や腰痛もまだ残存はあるものの当初の痛みの半分以下の痛みになり、何年かぶりにあおむけで寝ることも可能となったとおっしゃってくださいました。
その後も1か月おきの診察で、徐々に症状が改善していくことが確認できました。今では内装業の現場実務も可能となっており、現場には戻れないとあきらめていたのが嘘のようだと感想を述べてくださいました。
腰痛や臀部痛のために日常生活に支障が出ているかたも、ぜひカテーテル治療という新しい治療法があることも覚えておいていただけたらと思います。
以上、5年間悩んだ腰痛・臀部痛へのカテーテル治療実例の紹介でした。