2021年7月6日発表
母指CM関節症への動注治療について
今回紹介したい論文は、CM関節症という手の親指の付け根の痛みに対して動注治療と言う新しい負担の少ない治療法を開発し、その安全性や有効性を報告したものです。
JVIRという、アメリカで最も有名なカテーテル治療の専門医学誌に掲載された論文です。奥野先生が責任著者として投稿しています。
この論文では、重度のCM関節症をお持ちで装具や注射などの従来の治療法では効果がなかった31名の方が参加されています。
31名のCM関節症の患者さんに、手首の近くの橈骨動脈から局所麻酔を行い速やかに終了する動注治療を行いました。平均の治療時間は非常に短く「2.7分」でした。動注治療を行うことで、薬剤を流した肌の色は短時間に変化し30分後には正常に戻りました。
治療後3ヶ月・6ヶ月・2年のタイミングで痛みのスコアや手の機能のスコアを調べました。いずれも改善を認めておりました。また経過の最中に重篤な副作用は生じませんでした。
上記の結果から、動注治療が安全でかつ治りにくかったCM関節の痛みを改善させるのに寄与することがわかりました。