奥野祐次先生のコラム

COLUMN
COLUMN.16

血管は増えない方が良い

長引く痛みを取り除くには、余計な血管を減らすこと。

 

これが、運動器カテーテル治療の基本です。

ですが、よく聞かれるのが、「血管って減らしても大丈夫なんですか?」という質問。

人間の体には、くまなく血管があるように思われていますが、

実はそうではありません。

人間の体は、血管が多いところと血管が少ないところに分かれます。

上の写真は軟骨の断面の写真です。
黒いのが血管です。

「軟骨下骨」という骨の部分には血管が非常に多いですが
「軟骨」の部分には血管がほとんど入っていかないのがわかると思います。

これはたまたま入らないのではありません。

軟骨が血管を寄せ付けない物質を絶えず放出しているからなのです。

この物質が出ていると、血管が入り込まないため、この写真のように軟骨はほとんど血管は見られないのです。これが正常です。

実は軟骨だけでなく、腱やスジ、靭帯といった組織も血管を寄せ付けない物質が出ています。

ところが、ある年齢を過ぎるとこれらの場所にも血管が入ってきてしまいます。
血管を寄せ付けない物質が出なくなってしまう(枯渇してしまう)からです。

これは40代、50代で起きてきます。

実は四十肩や五十肩がなぜこの年代から生じるのか?というのもここに答えがあります。

この年代になると、余計な血管ができやすくなる。このために肩が急に痛くなるのが40代、50代の人たちに多いのです。

そして肩だけでなく、ひざの痛みなども始まりはこの年代です。

つまり、この年代から「余計な血管」ができやすい体になってしまうのです。

また、スポーツで体を酷使している場合は、もっと早い年代からこの「異常な血管」ができやすくなっています。
使いすぎによって「細かい損傷」が重なることで、それが血管を呼び込むからです。

このように、正常では血管が少ない場所に血管ができてしまうことはよくないことです。

このため、余計な血管を減らす治療は、これらの組織を保護してあげることにもなるのです。

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