治療実例
INSTANCE発症からわずか2週間で髪の半分が抜けた円形脱毛症に対して、動注治療で発毛が得られた症例
女性 / 50代 / 千葉県在住 / 会社員
受診までの経過SIGN AND SYMPTOM
ある日突然、髪の毛が抜け始める。円形脱毛症は、見た目の変化だけでなく「このまま全部抜けてしまうのではないか」という不安が日ごとに大きくなる、心のつらさを伴う病気です。ステロイドや光治療などを受けても抜け毛が止まらず、先の見えない思いをされている方も少なくありません。
今回ご紹介するのは、円形脱毛症が急速に進行し、わずか2週間ほどで頭髪の約半分が抜けてしまった女性の患者さんです。
始まりは前年の11月中旬。500円玉くらいの大きさの脱毛斑を見つけたのがきっかけでした。その後、脱毛は前髪からもみあげのあたりまで一気に広がり、約2週間で髪の毛のおよそ50%が抜けてしまいました。抜け始める前には頭皮に強いかゆみがあり、ヒリヒリとした痛みや頭痛のような痛みも感じていたそうです。
すぐに近くの病院を受診して飲み薬による治療を始め、12月には入院して「ステロイドパルス療法(点滴でステロイド剤を全身に投与する治療)」を受けました。退院後も月1回のステロイド注射と光治療、塗り薬による治療を続けていました。一時は落ち着いたように感じられたものの、1月末頃から再び抜け毛が増加。病院では「発毛が見られている」と言われても、ご本人としては抜け続けている実感があり、不安な日々を過ごされていました。
そんな中、YouTubeで当院の脱毛症に対する動注治療を知り、当院を受診されました。
治療時の所見FINDINGS
初診時、頭皮には若干の赤みがあり、ご本人も「頭皮が焼けるような感じ」を自覚されていました。時折、ぼんやりとした痛みも感じていたそうです。これらは、頭皮に強い炎症が続いているサインです。
長引く炎症の部分には、「モヤモヤ血管」と呼ばれる異常な血管が増えていることが分かっています。そこで、頭皮で炎症のもとになっている異常な血管を減らすお薬をピンポイントに注入するSTA動注を提案しました。
STA動注は、こめかみ付近や後頭部の皮膚に、点滴に使うような細い針を刺して、頭皮の血管にお薬を流す治療です。外来の診察室でそのまま受けられ、治療にかかる時間は1〜2分ほどです。治療をするのは頭皮に向かう血管です。脳の血管には一切触れないため、脳への影響はありません。
患者さんには円形脱毛症の効果の判定には2〜3か月かかること、複数回の治療が必要になる可能性があることをご説明したうえで、2月に1回目の動注治療を行いました。
治療後の経過FOLLOWING THERAPY
3月から4月にかけて、ツルツルだった脱毛斑に毛が生えてきたのが分かるようになりました。ただ、この時期はまだ抜け毛も続いており、「生えてきているのに抜けている」という不安な気持ちも残っていたそうです。4月に2回目の動注治療を行いました。初診時にあった頭皮の焼けるような感じは、この頃には気にならなくなっていました。
4月末には抜け毛がほぼ止まり、全体的に髪が生えてきた実感が得られるようになりました。5月には脱毛していた部分の大半に髪が生え、6月に入ると抜け毛も気にならなくなり、髪を分けても脱毛斑がほとんど目立たない状態にまで回復。美容院で「毛量が多いですね」と言われるほどになったそうです。
治療開始から約4か月半後の診察では、初診時にあった頭皮の熱感や強い赤みは消えており、「かなり良くなった」とお話しくださいました。症状が大きく改善したため、追加の治療は行わず、いったん経過観察としています。今後もし再び脱毛やかゆみなどの症状が出た場合には、再度動注治療を検討する予定です。
わずか2週間で髪の半分を失うという経験は、どれほど怖かったでしょう。ステロイドパルスまで受けたのに抜け毛が止まらない。そんな先の見えない状況でも、あきらめる必要はありません。
円形脱毛症で「もう治療法がない」と悩まれている方は、頭皮の炎症を血管から改善するSTA動注という選択肢があることを、ぜひ知っておいてください。



