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8年続く膣の痛み、鉄分補充とカテーテル治療で改善した誘発性膣前庭痛の症例

女性 / 30代 / 千葉県在住 / 会社員

受診までの経過SIGN AND SYMPTOM

誘発性膣前庭痛は、膣の入り口に強い痛みを感じる病気です。性行為や婦人科での診察などで、膣の入り口を触るだけで強い痛みが出てしまい、性行為ができない、下着が触れるのが痛い、などの症状が出ます。

この疾患は婦人科の医師にもまだ十分に知られておらず、「異常がない」と片づけられてしまうことも少なくありません。

今回ご紹介する患者さんは約8年前、膀胱炎をきっかけに膣の入り口に違和感を感じはじめました。その後も「性交が痛い」「婦人科での内診が耐えられない」などの症状が続き、婦人科や泌尿器科を受診しても「異常はない」「感染症も治っている」と診断され、治療の糸口が見つからずに長年苦しんでこられた方です。

治療法が見つからず困っていた際、オクノクリニックのサイトに掲載されていた症例記事に自身の症状と重なる点が多く、「ここなら任せられるかもしれない」と思い、来院されました。

治療時の所見FINDINGS

これまでの症状の経過から、誘発性膣前庭痛が疑われたため、膣の粘膜を診察しました。
膣の入り口の一部を生理食塩水で濡らした綿棒で優しくタッチしていくことで、どこが痛いのかを丁寧に確認しました。赤みのある部分に痛みが集中しており、典型的な誘発性膣前庭痛の所見でした。

この病気は、膣の入口にあたる前庭部の粘膜にわずかな赤みが見られ、異常な血管と神経が一緒に増えてしまうことで過敏な状態となり、わずかな刺激でも強い痛みを感じるようになります。

治療方針としては以下のステップを踏みました。まずは、神経や血管の過敏状態をやわらげるために、体の栄養状態の改善から始めました。血液検査で鉄不足が確認されたため、鉄剤に加え、神経の働きをサポートするビタミンB群などのサプリメントを併用していただきました。
鉄不足の解消を確認でき、カテーテル治療を行いました。カテーテル治療では、足の付け根から非常に細い0.6mmの柔らかいカテーテルを挿入し、異常な血管が集まる膣周囲の血管まで進めていきます。
造影剤を使って確認すると、赤みを帯びたモヤモヤ血管が過剰に増えている様子がはっきりと見て取れました。そこに、モヤモヤ血管を減らすお薬を注入し治療しました。

治療後の経過FOLLOWING THERAPY

治療前は痛みを10段階中10と表現されていた患者さんですが、1回目の治療後は4程度に軽減。さらに2回目の治療後には2程度まで下がり、日常生活でも「下着が当たるだけで痛かった」「診察ができなかった」という状態から、触れても以前のような激痛を感じることがなくなり、大変喜ばれています。

性交時の痛み、婦人科での診察がつらいなど、相談しても改善しなかった痛みが解決に向かう一歩になるかもしれません。誘発性膣前庭痛でお困りの方は、新しい治療があることをぜひ知っておいてください。





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