下肢静脈瘤の日帰り治療

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下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)とは?

足の静脈が蛇行し浮き出たものを下肢静脈瘤といいます。
足の静脈内を流れる血液は、心臓や肺に戻るためには、重力に抗して上に向かって流れなくてはなりません。そのため足の静脈には逆流防止弁がたくさんあります。この弁が壊れてしまい、血液が下へ逆流するようになり、血管内に血液が滞ることで血管が膨れたものが下肢静脈瘤です。

妊娠を経験された女性の方や、立ち仕事の方(調理師・理容師・デパートの店員さんなど)高齢者がなりやすいと言われておりますが、若い男性の方でも発症されることがあります。下肢静脈瘤は軽いもの(蜘蛛の巣血管)から重症なもの(皮膚潰瘍)まで様々な段階があります。

正常な静脈
下肢静脈瘤

治療の流れ

診断は超音波検査(エコー検査)にて行います。痛みもなく体に負担の少ない検査です。超音波検査での結果もふまえ、症状がありお困りの方には治療をおすすめします。
治療には大きく分けて、手術(静脈瘤抜去切除術)と血管内治療(カテーテル治療)があります。個々の患者さんと充分お話しながら治療方法を決定していきます。

最新カテーテル治療 グルー(ベナシール)治療について

下肢静脈瘤に対する最新の血管内治療はグルー治療です(2020年認可、保険診療)。
逆流し、正しく機能していない静脈をグルー(医療用瞬間接着剤)で固めて潰す治療です。
固めた静脈は1年程で吸収され消えます。他の静脈はネットワークを介して多くあり、代わりに正しい静脈に血液が流れるようになるので潰してしまって問題ありません。

レーザー治療に比べて痛み・麻酔量が少なく、下肢静脈瘤治療の主流になりつつあります。加えて古く歴史のある、簡便な硬化療法など、個々の患者様に最適な治療を提案致します。
治療方法
治療方法

今までの治療と何が違うのか

今までのラジオ波(レーザー)治療は120℃の熱で血管を焼きつぶすので、そのまま治療すると熱く痛いです。
そのため血管に沿って長い範囲(約60㎝)の麻酔を打つ必要がありました。麻酔を打つために5~6回ほど血管の周囲に針を刺ささなければいけませんでした。
一方、最新のグルー治療は熱を使いません。血管の中にグルー(薬)を詰め静脈をふさぐ治療方法となります。施術自体の痛みは全く生じないため何回も麻酔で針を刺す必要がないのです。身体への負担が少なく施術時間も短いです。

①痛みが少ない
②麻酔の投与量が圧倒的に少ない
③身体への負担が軽い
④治療時間が短い
⑤日常生活に支障がない

これらの違いから最新治療のグルー治療がラジオ波(レーザー)治療にとって代わる第1の下肢静脈瘤カテーテル治療となりつつあります。

医師紹介

医師 達 和人(たつ かずひと)
医師 達 和人(たつ かずひと)
2005年03月
富山医科薬科大学医学部 卒業
2005年04月
関東中央病院 外科系初期臨床研修
2007年04月
関東中央病院 心臓血管外科後期研修
2009年08月
群馬県立小児医療センター 心臓血管外科
2010年04月
牧港中央病院 心臓血管外科
2017年04月
福岡記念病院 心臓血管外科
2019年10月
あけぼの病院 心臓血管外科
2021年07月
大和成和病院 心臓血管外科 入職(非常勤)
2023年
オクノクリニック横浜センター南院にて勤務
・外科専門医
・心臓血管外科専門医
・心臓血管外科修練指導者
・日本循環器学会 循環器専門医
・下肢静脈瘤血管内焼灼術指導医
一人でも多くの患者様に、健やかな足を取り戻していただきたい思いからオクノクリニック横浜センター南院に下肢静脈瘤外来を新設しました。
個々の患者さんの静脈瘤の状態、ライフスタイル、ご希望をよく考慮しながらどんな治療がいいのかお話していきましょう。治療・手術適応のない方も、圧着ストッキング等のフットケアのお手伝いをさせていただきます。

下肢静脈瘤の費用について

初診 810円(3割負担)
血管エコー検査 1,800円(3割負担)

下肢静脈瘤血管内塞栓術(片足)約43,000円(3割負担)

下肢静脈瘤で気を付けることは

足にできるだけ血液を溜めないことが大事です。立ったまま同じ姿勢でいることで悪化させます。
1時間に1回5分~10分ほど歩くことで足の筋肉を使い血行をよくします。
すでに静脈瘤がある場合には弾性ストッキング(着圧ストッキング)をはいたり、散歩や軽い運動がおすすめです。
かゆみや色素沈着など皮膚のトラブルがよくおこるため、保湿性の高いクリームやステロイド軟膏によるケアがおススメです。寝るときは足にまくらをいれて少し高くするとよいです。

下肢静脈瘤治療の治療前・治療後

蜘蛛の巣血管が薄くなっています
うねうね血管がしぼんでいます。

よくあるご質問

  • 静脈瘤のカテーテル治療は痛いですか?
    痛みはほとんどないです。カテーテルというきわめて細長い(直径2.3㎜)チューブを血管内に挿入し治療する静脈内に進めていきます。血管の内側には神経が走ってないため痛みを感じることはありません。ただし麻酔をうつ注射とカテーテルを入れる際に、穿刺部(針を刺すところ)に採血の時と同じようなチクっとした痛みを一瞬感じます。
  • 副作用はありますか?
    グルー治療は体の負担が少なく、とても良い治療でありますが手術にはない合併症が起こる可能性もあります。頻度は少ないのですが、血管内に入れたグルーに対するアレルギー反応が起きることがあります。(発赤や蕁麻疹など)アレルギー反応が起きた場合、抗アレルギー薬でよくなります。
  • 両方の下肢静脈瘤を同時に治療することは可能ですか?
    はい。可能です。
  • 下肢静脈瘤治療の麻酔について教えてください。
    局所麻酔になり意識はあります。医師が患者さんに声をかけながら治療を行います。ご希望の方は静脈麻酔で眠りながら受けることも可能です。
  • どうして下肢静脈瘤になるのでしょうか?
    長時間立ちっぱなし、座りっぱなしの仕事、あまり運動しない、歩かない、加齢による筋力低下、静脈機能低下、妊娠・出産、遺伝(20代~40代の若い年齢でも症例がございます)。
  • 下肢静脈瘤の治療後、日常生活に気を付けることはありますか?
    治療後はすぐに日常生活に戻っていただいてかまいません。当日の車の運転や、自転車は控えていただくようお伝えしています。翌日からは可能です。
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