新型コロナウイルス PCR検査費用や検査キットについて、医師が解説

PCR test for covid-19
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PCR検査って何?

PCR検査とは?

PCR検査はPolymerase-Chain-Reaction(ポリメラーゼ-チェイン-リアクション)の頭文字略で、DNAやRNAと呼ばれる遺伝情報を増幅することで、調べたい目的の遺伝子が含まれているかを調べる検査です。
例えば落ちていた髪の毛から特定の人のDNAが含まれているか調べると想定すると、髪の毛からDNAを取り出し、その中から目的の遺伝子配列(その特定の人だけが持っている配列)を増幅し、それが含まれているかどうかを調べることができます。
人の遺伝子だけでなくウイルスの検査にも使われます。
ウイルスそのものがエンベロープと呼ばれるカプセルの中にDNAやRNAと呼ばれる遺伝情報が入った構造になっているためその遺伝情報を同じく増幅させ、そのウイルスが調べたい液体の中に含まれているかどうかを検出することができます。
例えば新型コロナウイルスでしたら新型コロナウイルスにしか持っていない配列、つまりRNAの並びがあるので、その特徴的な並びが唾液や粘液の中に含まれているかどうかを、RNAを増幅することで判別することができます。

PCR検査はどういう仕組みなの?なぜ時間がかかるの?

PCR検査をしている最中にどういうことをしているかと言うと、温度を非常に高くし90度近くにするのと、やや低くし60度近くにすることを繰り返し行っています。
DNAが含まれた液体の温度を90度にあげると、DNAの二組の鎖が外れ1本ずつの鎖になります。
その際に、調べたい部位と合致してぴったり一致するようなプライマーと呼ばれるものを反応液に入れておき、それが含まれているとそこだけがコピーされるような仕組みになっています。
このため60度に下げた時に調べたい部分が存在していると、その部分だけが2倍に増えます。また90度に上げたときに今度は2倍になったものがさらに1本1本外れることになり、そこに調べたいプライマーがさらにつくので、今度は60度に下げた時に4倍になります。
それを繰り返していくことで倍々に調べたい遺伝子配列だけが増えていき、他の関係ない遺伝子配列(自分の遺伝子や他の細菌の遺伝子など)は一切増えないようになります。
このようにして調べたい遺伝子の配列が、その液体の中に含まれているかどうかを増幅するかどうかで判別できるようになります。
この温度を90度と60度の温度にあげたり下げたりするのを40回か50回ほど繰り返すのですが、この繰り返しが30分あるいは1時間位の時間がかかることが一般的です。
また検査をする前にDNAやRNAを抽出するという作業があるので、この作業にも時間がかかるためトータルの時間としては2時間ほどかかるのが普通です。この時間を短縮するような検査キットも最近は出てきています。

抗体検査や、抗原検査と何が違うの?

PCR検査は、現時点で喉の粘膜あるいは唾液の中にいるウイルスのRNAがあるかどうかを検出します。
これに対して抗体検査は、過去にウイルスが侵入してきたために体の中で反応としてできた抗体が、できているかどうかを調べるものです。
このため調べているものが全く異なります。
PCR検査では現時点のウイルスがあるかどうかを調べ、抗体検査では過去にウイルスに対する体の反応として抗体ができたかどうかを調べることができます。このため何ヶ月か前に感染した人も判別することができます。
横浜市立大学の医学部の研究では、2020年の4月や5月に新型コロナウイルスにかかった人は、半年経過した後もほぼ全員が抗体を持っているということが判明しました。このため抗体検査は、過去の感染があったかどうかを調べるツールになります。
抗体検査が陰性だったからといって、現在かかっていないと言うことの証明にはなりません。使用目的が違うので注意してください。

抗原検査は、ウイルスそのものを見ることになります。ただしウイルスに対する抗体を使ってみるため、PCR検査とは違い非常に短い時間で終わることができます。10分ぐらいで検査が終わります。抗原検査は、普段インフルエンザにかかったかどうかを調べる検査方法になります。
それと同じものが新型コロナウイルスでもできるようになりました。やはり10分ぐらいで終わります。ただし精度に関してはPCR検査の方が高く、抗原検査で陰性だったからといって絶対にかかっていないとは言えない状況です。

それぞれの検査はどういう目的でやるべきですか?

抗体検査は、過去の感染があったかどうか調べます。
PCR検査は、現在の感染があるかを確認するのには1番有用で感度が高いです。感染していないことを完全に証明することは難しいですが、なるべく精度を高く証明するならPCR検査が望ましいです。
抗原検査は、安く済んでかつスピーディーにできると言う売りがありますが、精度が落ちるため陰性だからといって、かかっていないことの証明にはなかなかなりにくいと言う点があります。

自分で検体を取って調べるのと、医師に検査してもらうのでは、どのくらい精度が違うの?

それほど大きく変わりませんが、唾液の場合はやや精度が落ちます。
鼻や喉からの綿棒で拭うPCR検査の感度は、新型コロナウイルスが蔓延した当初は70%とされていましたが、現在の報告では95%ぐらいは確保されているだろうとされています。医師が鼻から検査した場合でも、自分で喉から検査しても同じように95%前後の感度が取れると考えられます。
これに対して唾液で検査した場合は、85から90%位に落ちてしまうと報告されています。ですから唾液でも問題は無いのですが、できれば喉からご自身でやったほうが精度が高く評価できます。

どんな人がPCRキットを使うといいの?

*身近な人で新型コロナウイルスの陽性がでたので調べたい方
*風邪にかかってしまいコロナなのか不安な方
*地方へ出張のため陰性を証明したい方
*ご自宅にご高齢者、疾患をおもちのご家族がいる方
*海外出張でPCR検査の陰性証明が必要な方
*イベント運営や講演会など不特定多数な人と接している方

PCR検査には年齢制限はありますか?子供でも受けられますか?

PCR検査に年齢制限はなく、何歳からでもうけられます。お子様でも検査できます。

PCR検査の費用について、価格差があるのはなぜですか?

2,000円や3,000円台の検査方法は、複数名の検体を一度に検査する機関も多くあるようです。
そのため、通常よりもコストをおさえ検査できる場合が考えられます。
また様々な検査キットが世の中に流通しており、期待されるような精度が発揮できない検査法もあるようで注意が必要とされることもあります。
他に、注意点としては複数名の検体を取り扱うため検体の取り違えがおきる可能性も懸念されるようです。
粘膜採取とことなり、唾液採取は精度が低くなると言われています。
本来、PCR検査は一定の原価と検査用の機材が必要になるため費用がかかるケースが多く、こういった検査方法と設備、使う機器の違いから価格差がおきているようです。

どんな場合に保健所に行った方がいいですか?

保健所に行く場合は、高熱や風邪症状、だるさ、味覚異常、嗅覚異常などの症状が出て、新型コロナウイルスの感染が疑われる場合、あるいは既に感染が証明された人と濃厚接触をした場合などは保健所の検査の管轄になります。
この場合は、国の負担となるため無料で受けることができます。上記のケースに該当する場合は、保健所で検査した方が費用的な負担は少なくてすみます。
上記に該当しない場合、つまり体調は悪くないがチェックしたい、あるいは濃厚接触には該当しないが少し接触したので気になるといったような場合は検査を無料で受けることができません。その場合は、自由診療による検査の対象になります。

PCR検査を受けるにはどうすればいい?誰でも受けられるの?

PCR検査を受けたい方はこちらから
※通院不要で検査を受けることが可能です。
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